サルモネラを起炎菌とした小児急性無石胆嚢炎の1例
「はじめに」小児期の無石胆嚢炎は発生頻度が低く1), しかもそのほとんどは重症の外傷や熱傷, 敗血症, 手術などに続発するもの, つまり胆汁うっ滞の結果発生すると推論されている2). 今回これらの誘因なく発症した小児急性無石胆嚢炎の1例を経験し, 胆汁培養にてSalmonella enteritidisを分離, 同定したので報告する. I症例 症例:11歳, 男児. 主訴:上腹部痛, 発熱. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成6年10月3日頃より特に誘因なく発熱(38~39℃), 悪心, 嘔吐(食物残渣様), 腹痛および1日5行に及ぶ水様性下痢が出現し, 10月6日下...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/02/05, Vol.93(2), pp.137-140 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」小児期の無石胆嚢炎は発生頻度が低く1), しかもそのほとんどは重症の外傷や熱傷, 敗血症, 手術などに続発するもの, つまり胆汁うっ滞の結果発生すると推論されている2). 今回これらの誘因なく発症した小児急性無石胆嚢炎の1例を経験し, 胆汁培養にてSalmonella enteritidisを分離, 同定したので報告する. I症例 症例:11歳, 男児. 主訴:上腹部痛, 発熱. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成6年10月3日頃より特に誘因なく発熱(38~39℃), 悪心, 嘔吐(食物残渣様), 腹痛および1日5行に及ぶ水様性下痢が出現し, 10月6日下痢は軽快してきたものの腹痛が心窩部から右季肋部に限局し, 痛みが増強するため当院入院となった. 経過中, 黄疸の出現は認めなかった. ペット飼育歴, 生卵, 生肉などの摂取のエピソードなく, 卵製品の経口摂取の有無については不明であった. 来院時現症:身長148cm, 体重36kg, 体温40.2℃, 脈拍110/分, 呼吸20/分, 血圧102/50mmHg, 意識清明, 顔貌苦悶状, 結膜に貧血, 黄疸なし, 咽頭発赤なし, 胸部異常なし. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.137 |