保存的治療にて軽快した縦隔内膵仮性嚢胞の2例
「はじめに」慢性膵炎に伴う合併症のうち, 内膵瘻により縦隔内に嚢胞を形成する縦隔内膵仮性嚢胞の報告は, 欧米で約60例1)~10), 本邦においては12例ときわめて少ない11)~19). また, その治療は外科的治療が第一選択とされており2)6)10), 大多数の症例が嚢胞摘出術や嚢胞ドレナージ術などの外科的治療を受けている. 今回著者らは, 後縦隔内膵仮性嚢胞の2例を経験し, いずれも保存的治療にて嚢胞の消失を認め良好な経過を得たので報告する. I症例 症例1:61歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:約30年来の大酒家で1日日本酒5合の飲酒歴あり....
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/01/05, Vol.93(1), pp.57-63 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」慢性膵炎に伴う合併症のうち, 内膵瘻により縦隔内に嚢胞を形成する縦隔内膵仮性嚢胞の報告は, 欧米で約60例1)~10), 本邦においては12例ときわめて少ない11)~19). また, その治療は外科的治療が第一選択とされており2)6)10), 大多数の症例が嚢胞摘出術や嚢胞ドレナージ術などの外科的治療を受けている. 今回著者らは, 後縦隔内膵仮性嚢胞の2例を経験し, いずれも保存的治療にて嚢胞の消失を認め良好な経過を得たので報告する. I症例 症例1:61歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:約30年来の大酒家で1日日本酒5合の飲酒歴あり. 平成3年3月より心窩部痛を自覚するようになり, 3月30日当科を受診した. その際, 血清アミラーゼ値の上昇を認めたため, 膵炎の疑いのもと精査加療目的で入院となった. 入院時現症:身長167.5cm, 体重64.6kg. 結膜に貧血, 黄疸なし. 呼吸音, 心音は清. 腹部に腫瘤は認めず, 心窩部から左季肋部に軽度の圧痛を認めた. 入院時検査成績(Table1):血沈の亢進(47mm/1hr)と, CRPの高値(7.3mg/dl)を認め, 血清および尿中アミラーゼ(各871IU/リットル, 1989IU/リットル), エラスターゼ1(3300ng/dl)の高値を認めた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.57 |