Helicobacter pylori除菌後の血清ペプシノーゲン値の変化

要旨:87例のHelicobacter pylori陽性の胃, 十二指腸疾患患者に対し除菌療法を行い, 治療前後での血清ペプシノーゲン値および胃炎スコアの変化を検討した. 除菌成功例48例では胃炎スコアは改善し, 血清ペプシノーゲンII(以下PGII)値は著明に低下し, ペプシノーゲンI/II比(以下PGI/II比)は有意に上昇した. 除菌不成功例39例では胃炎スコアの改善はみられず, PGII値, PGI/II比ともに明らかな変化は認めなかった. 血清ペプシノーゲンI値は両群ともに著変はみられなかった. これらの結果に基づいて, PGII値が治療前に比し, 治療後30%以上低下したものを仮に...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92 (11), p.1825-1831
Hauptverfasser: 時枝正史, 児玉薫, 伊藤彰, 藤山寛三, 児玉礼二, 川崎則紀, 久保田利博, 村上和成, 藤岡利生, 那須勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:87例のHelicobacter pylori陽性の胃, 十二指腸疾患患者に対し除菌療法を行い, 治療前後での血清ペプシノーゲン値および胃炎スコアの変化を検討した. 除菌成功例48例では胃炎スコアは改善し, 血清ペプシノーゲンII(以下PGII)値は著明に低下し, ペプシノーゲンI/II比(以下PGI/II比)は有意に上昇した. 除菌不成功例39例では胃炎スコアの改善はみられず, PGII値, PGI/II比ともに明らかな変化は認めなかった. 血清ペプシノーゲンI値は両群ともに著変はみられなかった. これらの結果に基づいて, PGII値が治療前に比し, 治療後30%以上低下したものを仮に除菌成功例と判定した場合, sensitivityは83.3%, specificityは89.7%であった. PGI/II比が治療後30%以上上昇したものを, 仮に除菌成功例と判定した場合, sensitivityは95.8%, specificityは94.9%であった. 以上より血清ペプシノーゲンは, 除菌療法の効果判定において, 有用であることが示唆された.
ISSN:0446-6586