1期的切除術を施行しえた食道癌と胆管細胞癌の同時性重複癌の1例
食道癌と肝癌との同時性重複癌はまれであり, 特に胆管細胞癌については, 検索しえたかぎりでは本邦では現在まで報告がない. 今回, 食道癌と胆管細胞癌の同時性重複癌症例に対し1期的切除術を施行したので, 若干の文献的考察を加え報告する. I 症例 患者:68歳, 男性. 主訴:特になし. 家族歴:兄, 胃癌. 既往歴:特記すべきことなし. 飲酒歴:日本酒2~3合/日×40年間. 現病歴:1993年12月, 検診にて食道に異常を指摘された. 精査の結果, 食道表在癌と診断され, 1994年5月手術目的で当科へ入院となった. 入院時現症:身長170cm, 体重64kg. 眼球結膜, 瞼結膜に貧血,...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92(10), pp.1789-1793 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 食道癌と肝癌との同時性重複癌はまれであり, 特に胆管細胞癌については, 検索しえたかぎりでは本邦では現在まで報告がない. 今回, 食道癌と胆管細胞癌の同時性重複癌症例に対し1期的切除術を施行したので, 若干の文献的考察を加え報告する. I 症例 患者:68歳, 男性. 主訴:特になし. 家族歴:兄, 胃癌. 既往歴:特記すべきことなし. 飲酒歴:日本酒2~3合/日×40年間. 現病歴:1993年12月, 検診にて食道に異常を指摘された. 精査の結果, 食道表在癌と診断され, 1994年5月手術目的で当科へ入院となった. 入院時現症:身長170cm, 体重64kg. 眼球結膜, 瞼結膜に貧血, 黄疸を認めず. 肋弓下に肝を2横指触知したが, 腹部は平坦, 軟で腫瘤, 表在リンパ節などは触知しなかった. 入院時検査成績(Table1):肝機能については, ICG R15は11.0%と軽度上昇していたが, トランスアミナーゼ, 血清ビリルビン値, PT, APTT, 胆道系酵素はいずれも正常値であった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.92.1789 |