ヒトヘルペスウイルス6が原因と考えられ,急性肝不全を合併したvirus-associated hemophagocytic syndrome(VAHS)の1救命例

virus-associated hemophagocytic syndrome(以下VAHS)は, 1979年Risdallら1)が提唱した疾患概念で, 種々の感染, ことにウイルス感染に伴って, 発熱, 肝脾腫, リンパ節腫脹, 皮疹などで発症し, 汎血球減少, DIC, 肝障害などを来す症候群である. 病理学的には, 全身の異型性を伴わない組織球の増殖と組織球による血球貧食が特徴である. VAHSは乳幼児に比較的多くみられ, 本邦での報告では, 死亡率31%と予後は決してよくない2). 一方, 成人発症例では短期間に死亡する例が多く, 救命例はきわめてまれである3)~7). 最近われわれ...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995/08/05, Vol.92(8), pp.1194-1199
Hauptverfasser: 新崎, 人士, 鳥本, 悦宏, 長谷部, 千登美, 藤本, 佳範, 水野, 正己, 幸田, 弘信, 平井, 克幸, 竹森, 信男, 岡, 敏明, 関谷, 千尋, 高後, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:virus-associated hemophagocytic syndrome(以下VAHS)は, 1979年Risdallら1)が提唱した疾患概念で, 種々の感染, ことにウイルス感染に伴って, 発熱, 肝脾腫, リンパ節腫脹, 皮疹などで発症し, 汎血球減少, DIC, 肝障害などを来す症候群である. 病理学的には, 全身の異型性を伴わない組織球の増殖と組織球による血球貧食が特徴である. VAHSは乳幼児に比較的多くみられ, 本邦での報告では, 死亡率31%と予後は決してよくない2). 一方, 成人発症例では短期間に死亡する例が多く, 救命例はきわめてまれである3)~7). 最近われわれは, 突発性発疹の原因ウイルスとして知られているヒトヘルペスウイルス6(human herpesvirus 6:HHV-6)が原因と考えられたVAHSの成人例を経験したので報告する. I 症例 患者:29歳, 女性. 主訴:発熱, 発疹, リンパ節腫脹. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.92.1194