同一彫師による刺青後同時に発症したC型急性肝炎2例とHCV抗体陽性であった3症例

C型急性肝炎はC型肝炎ウイルスを含む血液を介した感染経路が主であり, これには輸血以外に医療行為や針事故, 薬物濫用などがあげられる1). われわれは, 同一彫師により1990年1月12日から12日間, 同時に広範囲に刺青を行った後, C型急性肝炎を発症した2例とHCV抗体陽性であった3例の計5症例を経験した. C型刺青後急性肝炎の報告は本邦初であり, 若干の文献的考察を加え報告する. I 症例 全症例の輸血歴, 覚醒剤使用歴, 飲酒歴, 既往歴および初診時肝炎ウイルス検査, 肝機能検査値をTable1に, genotypeとウイルス量の測定結果をTable2に示した. 1. C型急性肝炎とな...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995/06/05, Vol.92(6), pp.997-1001
Hauptverfasser: 伊藤, 葉子, 松木, 康彦, 田中, 直見, 大菅, 俊明, 矢澤, 卓也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:C型急性肝炎はC型肝炎ウイルスを含む血液を介した感染経路が主であり, これには輸血以外に医療行為や針事故, 薬物濫用などがあげられる1). われわれは, 同一彫師により1990年1月12日から12日間, 同時に広範囲に刺青を行った後, C型急性肝炎を発症した2例とHCV抗体陽性であった3例の計5症例を経験した. C型刺青後急性肝炎の報告は本邦初であり, 若干の文献的考察を加え報告する. I 症例 全症例の輸血歴, 覚醒剤使用歴, 飲酒歴, 既往歴および初診時肝炎ウイルス検査, 肝機能検査値をTable1に, genotypeとウイルス量の測定結果をTable2に示した. 1. C型急性肝炎となった2症例 1990年1月12日より背部から殿部にかけ刺青を施行した. 同年3月中旬より全身倦怠感が出現し黄疸を指摘され, 3月27日(刺青後9週)当院受診した. 受診時眼球結膜黄染著明. 腹部所見は肝臓を4横指触知したのみであった.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.92.997