背景粘膜からみた陥凹性早期胃癌の形態学的特徴

長径2.0cm以下の陥凹性早期胃癌138例143病変(未分化型74病変,分化型69病変)の背景粘膜を3領域(F領域:36病変,I領域:29病変,P領域:78病変)に分類し,形態学的特徴を検討した.F領域の癌はすべて未分化型癌で,壁の異常が83%に認められた.I領域の癌は未分化型が72%を占め,陥凹面の粗槽なものが95%を占めていた.P領域の癌は未分化型が22%を占め,壁の異常なものはわずか6%で,陥凹面の粗槽なものも18%と少なかった.しかし辺縁隆起は59%に認められ,他の領域に比し最も多かった.このように陥凹性早期胃癌の肉眼形態は,同じ組織型でも癌の存在する領域によって形態学的特徴は変化する...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92(5), pp.846-854
1. Verfasser: 下野, 健治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:長径2.0cm以下の陥凹性早期胃癌138例143病変(未分化型74病変,分化型69病変)の背景粘膜を3領域(F領域:36病変,I領域:29病変,P領域:78病変)に分類し,形態学的特徴を検討した.F領域の癌はすべて未分化型癌で,壁の異常が83%に認められた.I領域の癌は未分化型が72%を占め,陥凹面の粗槽なものが95%を占めていた.P領域の癌は未分化型が22%を占め,壁の異常なものはわずか6%で,陥凹面の粗槽なものも18%と少なかった.しかし辺縁隆起は59%に認められ,他の領域に比し最も多かった.このように陥凹性早期胃癌の肉眼形態は,同じ組織型でも癌の存在する領域によって形態学的特徴は変化することが明らかとなった.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.92.846