5ヵ月間の経過観察中に著しい内視鏡像の変化を呈した胃形質細胞腫の1例

形質細胞腫はB細胞の最終分化段階の細胞である形質細胞に由来する腫瘍であり1), 骨髄に病変の主座をもつ骨髄腫と骨髄外の組織に主座をもつ髄外性形質細胞腫とに大別されている2). 消化管原発の髄外性形質細胞腫はまれであり, 特に胃原発形質細胞腫は, きわめてまれで, しかも本疾患の内視鏡的変化を経時的に観察した症例は皆無である. 今回われわれは5ヵ月間の観察期間中に著明な内視鏡像の変化を示した胃形質細胞腫を経験したので報告する. I 症例患者:74歳, 女性. 主訴:心窩部不快感. 家族歴:特記事項なし. 既往歴:1984年, 子宮癌にて子宮全摘術施行. 現病歴:1992年7月頃より心窩部不快感を...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92 (2), p.169-174
Hauptverfasser: 関根耕作, 菅井有, 折居正之, 下遠野秀文, 阿部弘一, 及川仁, 佐藤元昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:形質細胞腫はB細胞の最終分化段階の細胞である形質細胞に由来する腫瘍であり1), 骨髄に病変の主座をもつ骨髄腫と骨髄外の組織に主座をもつ髄外性形質細胞腫とに大別されている2). 消化管原発の髄外性形質細胞腫はまれであり, 特に胃原発形質細胞腫は, きわめてまれで, しかも本疾患の内視鏡的変化を経時的に観察した症例は皆無である. 今回われわれは5ヵ月間の観察期間中に著明な内視鏡像の変化を示した胃形質細胞腫を経験したので報告する. I 症例患者:74歳, 女性. 主訴:心窩部不快感. 家族歴:特記事項なし. 既往歴:1984年, 子宮癌にて子宮全摘術施行. 現病歴:1992年7月頃より心窩部不快感を自覚, 次第に症状が増強するため7月14日岩手県立軽米病院内科を受診した. 同日の胃内視鏡検査にて体下部大彎にBorrmann2型の腫瘤性病変を認めたため精査目的で同日入院となった.
ISSN:0446-6586