胃上皮性腫瘍における細胞増殖と細胞死(アポトーシス): 内視鏡的切除組織からの解析

内視鏡的胃粘膜切除術で得た胃上皮性腫瘍62病変を用い,MIB-1抗体で検出されるKi-67陽性核の分布と,in situ nick end labeling(ISNEL)で検出されるアポトーシス核の分布を対比した.増殖細胞は,化生粘膜では陰窩部に,胃腺腫では中上層に,癌では最表層部を含む全層にみられた.癌のうち,隆起型癌はより上層に,陥凹型癌はより下層に多い傾向があった.ISNEL陽性核は腫瘍部分に多くみられ,球状化,断片化を示していたが,正常核形態をとるものもあった.アポトーシスは,胃腺腫や隆起型癌に比べて,陥凹型癌や腫瘍部分の薄い(深部に非腫瘍腺管の残存の多い)一部の隆起型癌に強く発現して...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92(2), pp.130-139
Hauptverfasser: 奥山, 修兒, 横田, 欽一, 結城, 正光
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:内視鏡的胃粘膜切除術で得た胃上皮性腫瘍62病変を用い,MIB-1抗体で検出されるKi-67陽性核の分布と,in situ nick end labeling(ISNEL)で検出されるアポトーシス核の分布を対比した.増殖細胞は,化生粘膜では陰窩部に,胃腺腫では中上層に,癌では最表層部を含む全層にみられた.癌のうち,隆起型癌はより上層に,陥凹型癌はより下層に多い傾向があった.ISNEL陽性核は腫瘍部分に多くみられ,球状化,断片化を示していたが,正常核形態をとるものもあった.アポトーシスは,胃腺腫や隆起型癌に比べて,陥凹型癌や腫瘍部分の薄い(深部に非腫瘍腺管の残存の多い)一部の隆起型癌に強く発現していた.陥凹型癌が隆起型癌と増殖分画の差がないのに陥凹するのは,散在性に発生するアポトーシスの分画が大きいため,粘膜上層側で増殖よりcell lossが優位となることに起因している.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.92.130