イレウスで発症し,瘻孔形成を認めた活動性大腸結核の1例

腸結核, ことに活動性大腸結核は多彩な像をとり, その診断には広く知られた画像診断根拠だけでは必ずしも対処しえず, 最終的には古典的な結核菌あるいは結核性肉芽腫の証明が必要となる例も少なくないと思われる1). 今回, われわれは十二指腸下行脚に瘻孔を形成し, 結核性肉芽腫によって診断しえた活動性大腸結核の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. I 症例 症例:73歳, 男性. 主訴:腹痛. 既往歴:22歳時, 肋膜炎. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成4年5月6日, 特に誘因なく腹痛が出現した. その後, 数回の嘔吐を来し5月7日近医受診, “腸閉塞”の診断を受け, 5...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1995, Vol.92(1), pp.86-89
Hauptverfasser: 前田, 直人, 西川, 睦彦, 山本, 哲夫, 川崎, 寛中
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:腸結核, ことに活動性大腸結核は多彩な像をとり, その診断には広く知られた画像診断根拠だけでは必ずしも対処しえず, 最終的には古典的な結核菌あるいは結核性肉芽腫の証明が必要となる例も少なくないと思われる1). 今回, われわれは十二指腸下行脚に瘻孔を形成し, 結核性肉芽腫によって診断しえた活動性大腸結核の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. I 症例 症例:73歳, 男性. 主訴:腹痛. 既往歴:22歳時, 肋膜炎. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成4年5月6日, 特に誘因なく腹痛が出現した. その後, 数回の嘔吐を来し5月7日近医受診, “腸閉塞”の診断を受け, 5月8日精査加療目的にて当科紹介入院となった. 入院時現症:身長153cm, 体重39kg, 栄養状態は可. 眼瞼結膜に軽度の貧血を認めるも, 眼球結膜に黄疸なし. 表在リンパ節は触れない.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.92.86