多発性肝限局性結節性過形成の1例
肝限局性結節性過形成(以下, FNH)は, 1958年にEdmondson1)によりその疾患概念が確立されて以来, 欧米では多数報告されている2)~5)が, 本邦では86例の症例報告6)~8)があるのみで比較的まれな疾患である. しかも, 単発例の報告が多く, 最近の本邦の報告7)8)をみてもFNHが多発する頻度は, 10.3%ときわめてまれである. 今回, 著者らは, 2つの異なる画像所見を呈した多発性FNHの1例を経験した. 画像診断上, 1結節は被膜様の所見を有し, 肝細胞癌(以下, HCC)との鑑別が困難であった. FNHの画像診断上特徴的な所見について考察を加え報告する. I 症例...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1994, Vol.91(12), pp.2244-2251 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 肝限局性結節性過形成(以下, FNH)は, 1958年にEdmondson1)によりその疾患概念が確立されて以来, 欧米では多数報告されている2)~5)が, 本邦では86例の症例報告6)~8)があるのみで比較的まれな疾患である. しかも, 単発例の報告が多く, 最近の本邦の報告7)8)をみてもFNHが多発する頻度は, 10.3%ときわめてまれである. 今回, 著者らは, 2つの異なる画像所見を呈した多発性FNHの1例を経験した. 画像診断上, 1結節は被膜様の所見を有し, 肝細胞癌(以下, HCC)との鑑別が困難であった. FNHの画像診断上特徴的な所見について考察を加え報告する. I 症例 患者:45歳, 女性. 主訴:なし. 既往歴:特記事項なし(経口避妊薬の服用歴なし). 現病歴:胃集団検診で胃粘膜下腫瘍を疑われ, 他医で施行された腹部超音波検査にて偶然に肝に2個の腫瘤を発見され, さらに精査目的に当院紹介入院となった. 入院時現症:体格, 栄養中等度. 脈拍70/分, 整. 血圧120/70mmHg. 結膜に貧血, 黄疸は認めない. 胸部に異常所見は認めない. 腹部は平坦で, 肝, 脾は触知せず. 腹水の貯留も認めない. 神経学的にも異常を認めない. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.91.2244 |