症例報告 肝およびリンパ節転移をきたした回腸カルチノイドの1例

回腸カルチノイドは本邦ではまれな疾患で, 曽我の集計によれば, 消化管カルチノイド腫瘍報告例1618例中47例(2. 9%)である1). 本来, カルチノイドの名称は1907年Oberndorfer2)により, 組織学的に癌に類似するが, 臨床的に良性の経過をたどる回腸腫瘍に対して用いられたのが最初であるが, 回腸カルチノイド症例ではリンパ節, 肝, 腹膜などへの転移が報告されており, 予後不良例もみられる. 今回, 肝転移およびリンパ節転移をきたした回腸カルチノイドの症例を経験し, 転移巣を含めて切除可能であったので報告する....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1994, Vol.91 (10), p.1967-1972
Hauptverfasser: 谷口正次, 古賀和美, 指宿一彦, 重平正文, 長友英博, 野辺俊文, 小澤仁雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:回腸カルチノイドは本邦ではまれな疾患で, 曽我の集計によれば, 消化管カルチノイド腫瘍報告例1618例中47例(2. 9%)である1). 本来, カルチノイドの名称は1907年Oberndorfer2)により, 組織学的に癌に類似するが, 臨床的に良性の経過をたどる回腸腫瘍に対して用いられたのが最初であるが, 回腸カルチノイド症例ではリンパ節, 肝, 腹膜などへの転移が報告されており, 予後不良例もみられる. 今回, 肝転移およびリンパ節転移をきたした回腸カルチノイドの症例を経験し, 転移巣を含めて切除可能であったので報告する.
ISSN:0446-6586