強直性脊椎炎に続発した消化管アミロイドーシスの1例

強直性脊椎炎は仙腸関節, 脊椎および体幹に近い関節を侵し, 多発性の関節強直を起こすリウマトイド因子陰性の慢性炎症性疾患である. 主に若年男性に好発し, 合併症としてはぶどう膜炎が有名である. その他の合併症としてアミロイドーシス, 肺線維症, 大動脈弁閉鎖不全症が知られているが, 本邦におけるアミロイドーシス合併の報告はきわめてまれである. 今回われわれは, 強直性脊椎炎に続発した消化管アミロイドーシスの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. I 症例 症例:40歳, 男性. 主訴:下痢, 頸部および腰背部の運動制限. 家族歴:胃潰瘍(兄), 肝疾患(兄), 癌(父). 既往...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1994, Vol.91(6), pp.1126-1130
Hauptverfasser: 岡部, 宏明, 坂本, 茂, 千々岩, 芳春, 三澤, 正, 名和田, 新, 中山, 影親
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:強直性脊椎炎は仙腸関節, 脊椎および体幹に近い関節を侵し, 多発性の関節強直を起こすリウマトイド因子陰性の慢性炎症性疾患である. 主に若年男性に好発し, 合併症としてはぶどう膜炎が有名である. その他の合併症としてアミロイドーシス, 肺線維症, 大動脈弁閉鎖不全症が知られているが, 本邦におけるアミロイドーシス合併の報告はきわめてまれである. 今回われわれは, 強直性脊椎炎に続発した消化管アミロイドーシスの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. I 症例 症例:40歳, 男性. 主訴:下痢, 頸部および腰背部の運動制限. 家族歴:胃潰瘍(兄), 肝疾患(兄), 癌(父). 既往歴:19歳時, 右肘, 左膝関節炎にて手術:[輸血(+)]. 生活歴:特記事項なし. 現病歴:約6年前より腰背部可動制限, また2年前より頸部可動制限を自覚し, 次第に症状増強するも放置していた. 平成2年1月サイパンへ1週間渡航し, 大量の生魚を摂取した. 帰国1週間後より水様性下痢(8~9回/日), 39℃台の発熱, 全身倦怠感, 食欲不振が出現したため近医に入院した. 輸液, 抗生剤投与にて解熱したが下痢, 食欲不振は軽快せず, 3月上旬には17kgの体重減少, 低蛋白血症(TP4.3g/dl, Alb1.79/dl), 経口小腸透視にて小腸に浮腫像を認めたため, 精査加療目的にて3月20日当科へ紹介入院となった.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.91.1126