胃炎および消化性潰瘍における Helicobacter pylori と浸潤単核細胞の免疫組織化学的検討

胃炎,消化性潰瘍における胃粘膜の HP の分布と浸潤単核細胞について免疫組織化学的に検討した.HP の検出率は胃炎(40例)58%,胃潰瘍(56例)82%,十二指腸潰瘍(24例)88%であった.HP 感染粘膜では,上皮に HLA-DR 抗原の発現がみられ,固有層でリンパ小節,B cell,IgG,IgA 陽性細胞が増加していた.また,好中球,好酸球は HP 感染粘膜直下で増加し,粘膜障害に関与すると考えられた.胃炎に比べて,胃潰瘍では浸潤単核細胞の増加がみられ,十二指腸潰瘍では HP 菌体数が多く,また,浸潤単核細胞,IgA 陽性細胞も有意に増加し,消化性潰瘍においては HP 感染に伴うIgG...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1994, Vol.91(5), pp.956-968
Hauptverfasser: 榊原, 真肇, 森瀬, 公友, 高士, ひとみ, 太田, 美智男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃炎,消化性潰瘍における胃粘膜の HP の分布と浸潤単核細胞について免疫組織化学的に検討した.HP の検出率は胃炎(40例)58%,胃潰瘍(56例)82%,十二指腸潰瘍(24例)88%であった.HP 感染粘膜では,上皮に HLA-DR 抗原の発現がみられ,固有層でリンパ小節,B cell,IgG,IgA 陽性細胞が増加していた.また,好中球,好酸球は HP 感染粘膜直下で増加し,粘膜障害に関与すると考えられた.胃炎に比べて,胃潰瘍では浸潤単核細胞の増加がみられ,十二指腸潰瘍では HP 菌体数が多く,また,浸潤単核細胞,IgA 陽性細胞も有意に増加し,消化性潰瘍においては HP 感染に伴うIgG,IgA を中心とした局所免疫の存在が示唆された.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.91.956