脾過誤腫の1症例
脾の原発性腫瘍は比較的まれな疾患であり, なかでも脾過誤腫はきわめてまれで, 本邦における報告は40数例にすぎない. 術前に脾過誤腫を疑い, 手術にて確定診断した症例を経験したので報告する. I 症例 症例:54歳, 男性. 主訴:腹部不快感. 家族歴:特記すべきことなし. 既往歴:24歳時火傷にて植皮術を受け, 輸血を受けた. 現病歴:平成2年検診時に肝機能異常を指摘され, 同年6月当科外来にて脂肪肝の診断を受けた. 以後受診せず, 平成4年1月の人間ドックにて肝機能障害を再度指摘され, 同年2月当科外来にて腹部超音波検査により脾臓に径3cm大の腫瘤が認められ, 精査目的に入院となった. 入...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1994, Vol.91(3), pp.355-359 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脾の原発性腫瘍は比較的まれな疾患であり, なかでも脾過誤腫はきわめてまれで, 本邦における報告は40数例にすぎない. 術前に脾過誤腫を疑い, 手術にて確定診断した症例を経験したので報告する. I 症例 症例:54歳, 男性. 主訴:腹部不快感. 家族歴:特記すべきことなし. 既往歴:24歳時火傷にて植皮術を受け, 輸血を受けた. 現病歴:平成2年検診時に肝機能異常を指摘され, 同年6月当科外来にて脂肪肝の診断を受けた. 以後受診せず, 平成4年1月の人間ドックにて肝機能障害を再度指摘され, 同年2月当科外来にて腹部超音波検査により脾臓に径3cm大の腫瘤が認められ, 精査目的に入院となった. 入院時現症:身長163cm, 体重75kg, 脈拍75/分, 血圧108/68mmHg, 貧血, 黄疸はなく, 表在リンパ節は触知せず. 腹部は平坦軟で肝脾は触知せず. 入院時検査所見(Table1):HCV抗体が陽性で軽度の肝機能障害を認めた以外は異常所見がなく, 腫瘍マーカーもすべて陰性であった. 腹部超音波検査(Figure 1):脾内部に3cm大の辺縁明瞭な高エコー腫瘤を認めた. 腫瘤内部に不整形の低エコー領域が認められた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.91.355 |