ウルソデオキシコール酸 (UDCA) 投与中の尿中および血中N-アセチルグルコサミン (NAG) 抱合型胆汁酸の検出
1992年, Marschallらは4名の高度胆汁うっ滞患者にUDCAを投与すると, 尿中から従来の胆汁酸抱合型とまったく異なるUDCAのNAG抱合型が大量に検出されることを報告した1). 今回われわれはUDCA治療中の肝内胆汁うっ滞患者2名において, NAG抱合型胆汁酸を尿中のみならず血中からも検出したので報告する. 対象, 方法:原発性胆汁性肝硬変症(PBC, T-Bil3.9mg/dl)1例, 急性肝内胆汁うっ滞(AH, T-Bil3.6mg/dl)1例にそれぞれUDCA600mg/day(5年間継続中), 300mg/day(10日間投与後)を投与し, 尿中および血中胆汁酸をNiwaら...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1994/02/05, Vol.91(2), pp.232-232 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1992年, Marschallらは4名の高度胆汁うっ滞患者にUDCAを投与すると, 尿中から従来の胆汁酸抱合型とまったく異なるUDCAのNAG抱合型が大量に検出されることを報告した1). 今回われわれはUDCA治療中の肝内胆汁うっ滞患者2名において, NAG抱合型胆汁酸を尿中のみならず血中からも検出したので報告する. 対象, 方法:原発性胆汁性肝硬変症(PBC, T-Bil3.9mg/dl)1例, 急性肝内胆汁うっ滞(AH, T-Bil3.6mg/dl)1例にそれぞれUDCA600mg/day(5年間継続中), 300mg/day(10日間投与後)を投与し, 尿中および血中胆汁酸をNiwaらの方法2)により分析した. すなわち試料よりSep-pak C18にて胆汁酸を精製後, 0.1%キヌクリジンを含有したアセトニトリル中サンプルに9-anthroyl cyanideを加え, 50℃, 30分間反応させた. 反応後PHP-LH-20カラムに通導し, 遊離型, グリシンおよびタウリン抱合型分画を順次溶出し, HPLC法(カラム:Cosmosil 5C18, 移動相:リン酸緩衝液/メタノール, 励起波長362nm, 蛍光波長470nm)で分析した. さらに硫酸抱合型胆汁酸(S)分画, グルクロン酸抱合型胆汁酸(G)分画, 非硫酸非グルクロン酸抱合型胆汁酸(NSNG)分画を従来法で分離後, 各胆汁酸をGLC法にて測定した. 結果:NAG抱合型胆汁酸は尿中, 血中ともにUDCAのみに検出され, 他の胆汁酸には存在しなかった. PBC症例においては1日尿中胆汁酸排泄量は162.7mg/dayであり, NAG抱合型UDCA(UDCA-NAG)はその48%, 総UDCA排泄量の53%を占めており, 抱合型はGlyco-UDCA-NAGが最も多く, 次いでTauro-UDCA-NAGであった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.91.232 |