No.45 陶板浴(陶板サウナ)が精神機能に及ぼす改善効果

[目的]陶板浴(陶板サウナ)は温熱陶板上に臥床するサウナの一種であり, これへの集中的な入浴が精神的な不調を改善するかを検討した. [方法]研究デザインは, 非ランダム化単群前後比較試験である. 対象者は, 2009年11月から2010年5月までの任意の2ヶ月間に陶板浴へ合計8回入浴した38名(男性6名, 女性32名)である. 初回入浴時と最終入浴時に精神機能に関する自記式調査を実施し, 測定項目の変化を対応のあるt検定にて前後比較した. 自記式調査としてSF-8, 日本語版POMS短縮版およびコーネル・メディカル・インデックス(CMI)を用いた. [結果]8回の入浴で統計的に有意な改善を認め...

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Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 2011, Vol.75 (1), p.57-57
Hauptverfasser: 伊東千絵子, 野田龍也, 早坂信哉, 村田千代栄, 尾島俊之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]陶板浴(陶板サウナ)は温熱陶板上に臥床するサウナの一種であり, これへの集中的な入浴が精神的な不調を改善するかを検討した. [方法]研究デザインは, 非ランダム化単群前後比較試験である. 対象者は, 2009年11月から2010年5月までの任意の2ヶ月間に陶板浴へ合計8回入浴した38名(男性6名, 女性32名)である. 初回入浴時と最終入浴時に精神機能に関する自記式調査を実施し, 測定項目の変化を対応のあるt検定にて前後比較した. 自記式調査としてSF-8, 日本語版POMS短縮版およびコーネル・メディカル・インデックス(CMI)を用いた. [結果]8回の入浴で統計的に有意な改善を認めた項目を以下に示す:過敏, 怒り, 主観的な精神的サマリースコア, 日常役割機能(精神), 心の健康, 緊張-不安, 怒り-敵意, 疲労, 混乱. 有意ではないが一定の改善傾向を認めた項目を以下に示す:抑うつ, 不適応, 不安, 緊張, 抑うつ-落込み. 有意な改善も悪化も認めなかった項目は活気のみであり, 入浴後に有意に悪化した測定項目はなかった. [考察]陶板浴への集中的な入浴に, 高ぶった神経を鎮め, 怒りや疲労感をやわらげるリラックス効果があることが示唆された. 一方, 抑うつや意欲低下といった神経の低調さを示す項目については, 有意な改善認めなかったが, 今後検討の余地があると考えられた.
ISSN:0029-0343