No.37 認知症に対する鍼灸治療の文献学的考察
[目的]近年, 認知症に対する東洋医学研究(漢方・鍼灸)論文が報告されるようになってきた. そこで今回我々は, 本領域における鍼灸治療の可能性を検討する為に, 海外にける認知症の鍼治療研究論文を検索したので報告する. [方法]過去10年間に欧米で刊行されている医学雑誌から, “Acupuncture”と“Dementia”, “Alzheimer's d's”をキーワードに抽出された15文献について解析した. [成績]論文は臨床研究9論文と基礎研究6論文中, Cochrane Database Syst Rev(2007), Systematic review(2009)が...
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Veröffentlicht in: | 日本温泉気候物理医学会雑誌 2011, Vol.75 (1), p.53-53 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]近年, 認知症に対する東洋医学研究(漢方・鍼灸)論文が報告されるようになってきた. そこで今回我々は, 本領域における鍼灸治療の可能性を検討する為に, 海外にける認知症の鍼治療研究論文を検索したので報告する. [方法]過去10年間に欧米で刊行されている医学雑誌から, “Acupuncture”と“Dementia”, “Alzheimer's d's”をキーワードに抽出された15文献について解析した. [成績]論文は臨床研究9論文と基礎研究6論文中, Cochrane Database Syst Rev(2007), Systematic review(2009)が含まれた. 基礎論文では, 認知症モデルラットやマウスに対して鍼治療が記憶障害等の防護効果や酸化的ストレスへ影響した抗加齢作用, 電気鍼による認知能力改善に神経成長因子や神経栄養因子が関与し脳細胞増殖の可能性を示唆している. また, 臨床研究では鍼治療は血管性認知症患者で脳のグルコース代謝を増加させ, 中核症状やMMSE, HDS-R, およびADLスコアの改善をもたらすこと. また認知症の不安と憂うつに対する効果を示唆した. [考察]現在の所, RCTsが無いことや臨床研究の規模が小さいことから, 血管性認知症のための鍼治療の有効性は不確実であり, これまでの研究成果はアルツハイマー病の鍼治療の有効性を示さなかった. 以上のことから, 本領域の鍼灸研究は, 今後ランダム化された系統的臨床研究が重要と考えられた. |
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ISSN: | 0029-0343 |