No.22 継続的な鍼治療による急性腰痛の予防効果について
[目的]急性腰痛の予防効果に関する鍼治療の報告は少ない. 今回, 慢性的な腰痛を有し, しかもその過程の中で急性腰痛を繰り返す症例に対し, 1年間の継続的な鍼治療を行い, 急性腰痛の予防効果を検討した. [方法]本学附属病院整形外科, および附属鍼灸センターを受診した症例中, 6ヶ月以上継続する慢性的な腰痛を有し, 加えて, 過去1年間にActivities of Daily Living(ADL)に支障を来す程度の急性腰痛を2回以上発症した8症例に対し, 1年間の継続的な鍼治療を行った. 治療部位は障害高位の傍脊柱部, 動作時の痛み部位を考慮した腰殿部筋群緊張・硬結部, 下肢症状を有する場合...
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Veröffentlicht in: | 日本温泉気候物理医学会雑誌 2010, Vol.74 (1), p.40-40 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [目的]急性腰痛の予防効果に関する鍼治療の報告は少ない. 今回, 慢性的な腰痛を有し, しかもその過程の中で急性腰痛を繰り返す症例に対し, 1年間の継続的な鍼治療を行い, 急性腰痛の予防効果を検討した. [方法]本学附属病院整形外科, および附属鍼灸センターを受診した症例中, 6ヶ月以上継続する慢性的な腰痛を有し, 加えて, 過去1年間にActivities of Daily Living(ADL)に支障を来す程度の急性腰痛を2回以上発症した8症例に対し, 1年間の継続的な鍼治療を行った. 治療部位は障害高位の傍脊柱部, 動作時の痛み部位を考慮した腰殿部筋群緊張・硬結部, 下肢症状を有する場合には, 障害神経走行部, および支配領域筋群とした. 治療回数は症例により異なり, 少なくとも1回/月の治療を行った. [結果]1例を除く7症例に, 鍼治療期中における急性腰痛発症回数の減少を認めた. 8例の平均では, 過去1年間の急性腰痛発症回数が2.3±0.5(mean±SD)であったのものが, 0.8±0.7に減少した. [考察]1年間の鍼治療継続期間中に, 急性腰痛の発症回数が減少したことから, 鍼治療の継続は, 急性腰痛の発症に対し, 予防効果を有する可能性を考えた. これらの結果が出現した理由として, 慢性的な腰痛による痛み, 筋緊張, 血流低下という悪循環の状態にある腰部に対して, 鍼治療が影響を及ぼし, 急性腰痛の発症を抑制した可能性を考えた. |
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ISSN: | 0029-0343 |