No.29 森林浴の生体循環, 免疫系に及ぼす影響について

[目的]森林浴の生体免疫系に及ぼす影響を, 森林浴, 非森林浴にて比較検討した. [方法]対象は, 中高年男性14名(平均年齢54.5±23.9歳), 女性4名(72.3±3.9)の合計18名である. グループを3群に分け, 視覚遮断6名(53.5±25.9), 嗅覚遮断6名(61.3±22.1), および非遮断6名(59.8±22.5)に区分けし, 2時間森林浴を行った. 調査場所は, 森林豊かな群馬県川場村山中である. 大気分析は, ガスクロマトグラフィー分析を行った. 循環器系検査として, 血圧, 心拍数, 心電図, コルチゾール, 血中PAI-1, ANP, BNPを, 免疫学的検査と...

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Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 2009, Vol.73 (1), p.52-53
Hauptverfasser: 武田淳史, 近藤照彦, 青柳直樹, 小林功, 武田信彬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的]森林浴の生体免疫系に及ぼす影響を, 森林浴, 非森林浴にて比較検討した. [方法]対象は, 中高年男性14名(平均年齢54.5±23.9歳), 女性4名(72.3±3.9)の合計18名である. グループを3群に分け, 視覚遮断6名(53.5±25.9), 嗅覚遮断6名(61.3±22.1), および非遮断6名(59.8±22.5)に区分けし, 2時間森林浴を行った. 調査場所は, 森林豊かな群馬県川場村山中である. 大気分析は, ガスクロマトグラフィー分析を行った. 循環器系検査として, 血圧, 心拍数, 心電図, コルチゾール, 血中PAI-1, ANP, BNPを, 免疫学的検査として, NK細胞活性, IgA, リンパ球CD4/CD8を測定した. [結果]森林浴中の非検者周囲から樹木由来のフィトンチッドが検出された. 非遮断群収縮期血圧同様, 嗅覚遮断群においても有意に血圧低下を認めた. コルチゾールは, 3群すべてに前後で低下を認めたが, その他の免疫学的検査では有意な変化が認められなかった. [考察]森林浴は, フィトンチッドや森林環境が心身のリラグゼーション効果をもたらすことが知られているが, 今回のような短時間の森林浴効果は, 生理学的に血圧の低下が認められるも, 心機能と連動するANP, BNP, また免疫系への影響は明らかには認められなかった.
ISSN:0029-0343