屋上森林環境が要介護高齢者に及ぼす影響: 主観評価を用いて
「I はじめに」高齢化社会を迎えて, 要介護高齢者や認知症患者に対応するために, 医療施設では転倒防止・誤嚥防止に注意を注いできた. バリアフリーの居住空間, 整理された床頭台, 冷暖房完備の広いホール等が典型的な風景である. また, 玄関の外が市街地で車の出入りが激しい場合, 晴れた日でも室内で行事を行う施設が多い. しかし, 近年では建物内に植木・木の家具等の自然由来の素材を配置し「癒し」効果を期待する施設が増えてきた. Frumkinは1)人間と自然との関わりに関する報告を動物, 植物, 風景, 自然体験の4視点において検討し, 「自然には, 放射線や有害物質などの毒性があるが, 自然が...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本温泉気候物理医学会雑誌 2009, Vol.72(4), pp.256-264 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「I はじめに」高齢化社会を迎えて, 要介護高齢者や認知症患者に対応するために, 医療施設では転倒防止・誤嚥防止に注意を注いできた. バリアフリーの居住空間, 整理された床頭台, 冷暖房完備の広いホール等が典型的な風景である. また, 玄関の外が市街地で車の出入りが激しい場合, 晴れた日でも室内で行事を行う施設が多い. しかし, 近年では建物内に植木・木の家具等の自然由来の素材を配置し「癒し」効果を期待する施設が増えてきた. Frumkinは1)人間と自然との関わりに関する報告を動物, 植物, 風景, 自然体験の4視点において検討し, 「自然には, 放射線や有害物質などの毒性があるが, 自然が人間を鎮静化し疲労回復させ感性を癒す効果は, その毒性を差し引いて余りある価値があり, 人間は生来自然と結びついており, 長い進化の過程の99%は森林において生活してきたことからの帰結である」と述べている. 宮崎, 恒次ら2)は, 自然環境由来の五感に関わる刺激が生体にもたらす影響を過去の研究より以下のようにまとめている. |
---|---|
ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki.72.256 |