温泉飲水が胃電図および心拍変動に与える影響

「I はじめに」温泉水を飲む飲泉は, 我が国ではあまり盛んではないが, 温泉を人の療法として有効に用いる一つとしてヨーロッパ各地でみられ, 報告されている1,2). この飲泉の効果として, 一般に, 食塩泉は胃液分泌・胃の運動を高め, 炭酸泉は胃粘膜の充血を起こし, 胃の運動を高め, 重曹泉は胃液を中和させ, 胃潰瘍の防止に役に立つなどその泉質により異なっている3). ただ, この効果は, 1回の飲用にみられる効果で, 連日飲用では生体の総合的調整作用となるとも報告されている4). また, 温泉水を臨床研究として行われている報告は, 大塚らが糖尿病患者において硫黄泉とナトリウム炭酸水素泉を行い...

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Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 2008, Vol.71(3), pp.161-166
Hauptverfasser: 美和, 千尋, 杉村, 公也, 白石, 成明, 田中, 紀行, 川村, 陽一, 出口, 晃, 鈴村, 恵理, 岩瀬, 敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」温泉水を飲む飲泉は, 我が国ではあまり盛んではないが, 温泉を人の療法として有効に用いる一つとしてヨーロッパ各地でみられ, 報告されている1,2). この飲泉の効果として, 一般に, 食塩泉は胃液分泌・胃の運動を高め, 炭酸泉は胃粘膜の充血を起こし, 胃の運動を高め, 重曹泉は胃液を中和させ, 胃潰瘍の防止に役に立つなどその泉質により異なっている3). ただ, この効果は, 1回の飲用にみられる効果で, 連日飲用では生体の総合的調整作用となるとも報告されている4). また, 温泉水を臨床研究として行われている報告は, 大塚らが糖尿病患者において硫黄泉とナトリウム炭酸水素泉を行い, 1回飲用において硫黄泉で血糖値の上昇の抑制, 長期飲用では両温泉水において血糖値がコントロールできた報告をしているのみである5-7). そこで, 今回, われわれは, 小山田記念温泉病院のアルカリ性単純泉が, 胃と腸の活動および自律神経活動へどのような影響を及ぼすのかを胃電図および心拍変動解析を用いて検討した.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.71.161