健常成人男性における高温浴前後の血液学的及び生理学的検査値の変動
「I はじめに」42℃以上の高温浴後の血液学的検査値の変動に関するこれまでの研究では, 血液粘度やヘマトクリット値(Ht)が上昇する報告1-3)と有意な変動を示さないとする報告4)があり, 高温浴後のこれらの血液学的検査値の変動に関する見解は議論の分かれるところである. 最近, 血液流動性を測定するための装置として血液流動性測定装置(micro channel array flow analyzer, MCFAN)が開発, 発売され, 各種疾患や生活習慣との関連についての検討が行われている5-8). 本装置は毛細血管の人工モデルに全血を流し, 血液の流動性を視覚的かつ定量的に評価できる装置であ...
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Veröffentlicht in: | 日本温泉気候物理医学会雑誌 2008, Vol.71(3), pp.155-160 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I はじめに」42℃以上の高温浴後の血液学的検査値の変動に関するこれまでの研究では, 血液粘度やヘマトクリット値(Ht)が上昇する報告1-3)と有意な変動を示さないとする報告4)があり, 高温浴後のこれらの血液学的検査値の変動に関する見解は議論の分かれるところである. 最近, 血液流動性を測定するための装置として血液流動性測定装置(micro channel array flow analyzer, MCFAN)が開発, 発売され, 各種疾患や生活習慣との関連についての検討が行われている5-8). 本装置は毛細血管の人工モデルに全血を流し, 血液の流動性を視覚的かつ定量的に評価できる装置であり, 全血通過時間は赤血球数(RBC), 白血球数(WBC), ヘモグロビン濃度(Hb), Htとの間に正の相関が認められることが報告9,10)されていることから高温浴後の血液状態の変化をより的確に把握できる可能性がある. しかし, 本装置を用いた高温浴後の全血通過時間の変動に関する報告は少ない. また, 生理学的検査値では38℃以上の温浴により心拍数や心拍出量の増加が認められ, 42℃以上の高温浴は交感神経を緊張させ血圧, 脈拍数, 体温の上昇を引き起こすことが示されている11). |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.71.155 |