脳血管障害の温泉療法
脳卒中の温泉療法に関してはわが国には古い歴史があり, 古来中風の湯といわれる温泉もいくつかある. 三沢敬義元東京大学教授の『温泉療法』(昭和19年)には, 戦前におけるこれらの温泉療法に関して概略次のようなことが述べられている. (1)代表的な中風の湯として栃木県の板室温泉, 長野県の鹿教湯温泉がある. (2)いずれも37℃-38℃の微温浴である. (3)板室では患者は上からつるした麻縄につかまるか, 又は浴槽に腰かけ, 30分から1時間, 1日数回入浴する者もあるが, 1日1-2回が適当であろう. (4)脳卒中患者に適する泉質は単純泉, 食塩泉, 炭酸含有食塩泉といわれている. (5)要する...
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Veröffentlicht in: | 日本温泉気候物理医学会雑誌 1999, Vol.63(1), pp.22-23 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脳卒中の温泉療法に関してはわが国には古い歴史があり, 古来中風の湯といわれる温泉もいくつかある. 三沢敬義元東京大学教授の『温泉療法』(昭和19年)には, 戦前におけるこれらの温泉療法に関して概略次のようなことが述べられている. (1)代表的な中風の湯として栃木県の板室温泉, 長野県の鹿教湯温泉がある. (2)いずれも37℃-38℃の微温浴である. (3)板室では患者は上からつるした麻縄につかまるか, 又は浴槽に腰かけ, 30分から1時間, 1日数回入浴する者もあるが, 1日1-2回が適当であろう. (4)脳卒中患者に適する泉質は単純泉, 食塩泉, 炭酸含有食塩泉といわれている. (5)要するにあまり刺激の強くない緩和な泉質で, 40℃以下ならよい. (6)浴中にて他動的また自動的にマッサージや練習運動をするとよい. 次に脳卒中の基礎疾患である高血圧と動脈硬化に対する温泉療法の効果を見てみる. これに関しては, 昭和31年から33年にかけて, 大島良雄元東京大学教授を委員長として, 10数箇所の温泉研究機関が参加し, 「高血圧, 動脈硬化に及ぼす温泉効果の総合的検討」という協同研究が行われた. その概略は以下のようである. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.63.22 |