慢性関節リウマチに対する寒の地獄泉入浴の影響に関する研究補遺

昭和53年から55年までの3年間にわたってわれわれは一般健常人ならびに慢性関節リウマチ(RA)患者に及ぼす冷泉浴の影響に関する研究を行った1),2). このうちRAに関しては患者を寒の地獄泉の旅館に宿泊せしめて1日2回(午前と午後), 21日間寒の地獄泉に連浴せしめて, その臨床症状や検査成績に及ぼす影響を観察した. その結果RA患者の朝のこわばり, 握力, 関節点数などに好影響を及ぼし, Lansbury活動指数を有意に改善せしめることを認めたが, 血沈値には明らかな影響を及ぼさないことが確かめられた. そしてその作用機序としては血中ノルアドレナリンの増加を認めたことより, 交感神経の刺激が...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 1994, Vol.57 (2), p.113-122
Hauptverfasser: 延永正, 立川啓二, 石井公展, 吉田史郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:昭和53年から55年までの3年間にわたってわれわれは一般健常人ならびに慢性関節リウマチ(RA)患者に及ぼす冷泉浴の影響に関する研究を行った1),2). このうちRAに関しては患者を寒の地獄泉の旅館に宿泊せしめて1日2回(午前と午後), 21日間寒の地獄泉に連浴せしめて, その臨床症状や検査成績に及ぼす影響を観察した. その結果RA患者の朝のこわばり, 握力, 関節点数などに好影響を及ぼし, Lansbury活動指数を有意に改善せしめることを認めたが, 血沈値には明らかな影響を及ぼさないことが確かめられた. そしてその作用機序としては血中ノルアドレナリンの増加を認めたことより, 交感神経の刺激が少なくとも一つの要因であろうと推測した2). しかし周知のようにRAの病態には免疫異常が深く係わっているので, このような冷泉入浴が免疫機能にどのような影響を及ぼすかははなはだ興味深い問題である. 特に臨床症状の好転がみられる本泉の場合はなおさらであろう.
ISSN:0029-0343