多発性硬化症患者のリハビリテーションプログラム作成および評価における体性感覚誘発電位と長潜時反射記録の有用性

筋の随意的収縮中にその支配神経を電気刺激して得られる反射性の筋放電のうち, 長潜時反射(long latency refrex:LLR)は経皮質反射(transcortical refrex), つまり長ループ反射であることが認められつつある1, 2, 3, 4, 5). 長ループ反射では錐体路をその反射弓に含むと考えられるので, LLRの分析により錐体路の障害を検出しうる可能性がある. われわれは多発性硬化症(MS)患者35名から上肢の体性感覚誘発電位(SEP)とLLRを記録し, 臨床症状と対比し, その病態解析における臨床的有用性を検討した. 対象と方法 対象はMS患者35名(男14, 女...

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Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 1991, Vol.54(2), pp.110-114
Hauptverfasser: 兼重, 裕, 野呂, 浩史, 梁田, 由樹子, 宮野, 良子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:筋の随意的収縮中にその支配神経を電気刺激して得られる反射性の筋放電のうち, 長潜時反射(long latency refrex:LLR)は経皮質反射(transcortical refrex), つまり長ループ反射であることが認められつつある1, 2, 3, 4, 5). 長ループ反射では錐体路をその反射弓に含むと考えられるので, LLRの分析により錐体路の障害を検出しうる可能性がある. われわれは多発性硬化症(MS)患者35名から上肢の体性感覚誘発電位(SEP)とLLRを記録し, 臨床症状と対比し, その病態解析における臨床的有用性を検討した. 対象と方法 対象はMS患者35名(男14, 女21, 平均年齢41歳)で, 正常対照群として25名(男9, 女16, 平均年齢42歳)をおいた. 平均身長はMS群で160±8cm, 正常群で159±8cmである. MS患者はRoseら6)の診断基準によるclinical definite13名, probable13名, possible9名よりなる. それぞれの記録方法は次のとおりである.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.54.110