アルカリ性泉

日本の温泉利用の諸外国と異なる点の一つは, 強酸性泉と強アルカリ性泉の特に浴療法としての利用がある. アルカリ性泉は全国温泉一覧(1975)によると, 全国1568温泉地の中で, pH8.5以上の温泉が湧出し利用されているのは267, pH9.O以上のものは116の温泉地で湧出している. これらアルカリ性をしめす温泉の中には, Na-Cl泉, SO4泉, HCO3泉の他, 硫黄泉, 放射能泉に分類される泉質のものがあるが, その何れにも分類されない(含有成分が1000mg/kg以下で, 特殊成分を含有しない)単純温泉に属し, いわゆるアルカリ性単純温泉といわれるものが多い. しかしその多くは微...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 1988, Vol.52(1), pp.21-21
Hauptverfasser: 小嶋, 碩夫, 木暮, 敬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:日本の温泉利用の諸外国と異なる点の一つは, 強酸性泉と強アルカリ性泉の特に浴療法としての利用がある. アルカリ性泉は全国温泉一覧(1975)によると, 全国1568温泉地の中で, pH8.5以上の温泉が湧出し利用されているのは267, pH9.O以上のものは116の温泉地で湧出している. これらアルカリ性をしめす温泉の中には, Na-Cl泉, SO4泉, HCO3泉の他, 硫黄泉, 放射能泉に分類される泉質のものがあるが, その何れにも分類されない(含有成分が1000mg/kg以下で, 特殊成分を含有しない)単純温泉に属し, いわゆるアルカリ性単純温泉といわれるものが多い. しかしその多くは微温泉で湧出量も必ずしも多いものではなく, したがってこうした点から大温泉地とはなり得ない療養温泉地が多い. そこでは微温長時間浴の連浴が主として行われている. しかもこれらのアルカリ性単純温泉には古来伝統的適応症として, 神経痛, 慢性リウマチ性疾患や脳卒中後遺症などをあげられる名湯といわれているものが多い.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.52.21