玉川温泉入浴の脊髄性小児麻痺後遺症並びに脳性小児麻痺に対する効果

玉川温泉連泉浴が上記両疾患に効を奏する機転並びにその臨床効果について述べる. 玉川温泉は硫化水素含有酸性緑礬泉で, pH1.2の強酸性泉である. 43℃1日3~4回の入浴では入浴開始4~7日後には発疹(浴湯皮膚炎)が現れ, これは特に頸部, 項部, 前胸部, 腋窩及鼠蹟部等に発生し易く, 発赤と丘疹が主徴候である. 而してこの発疹は浴終了後8~10日目頃には治癒消褪する. 而してこの発疹局所に変性蛋白質の産生起り, これが生体組織細胞を賦活するため, 既往性反応が陽性に現れ, 抗菌力の増強, 網内系機能の亢進が起り, 白血球減少症に於てはその増加を来し, 生体細胞機能の亢進に基く本川氏電気閃光...

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Veröffentlicht in:日本温泉気候物理医学会雑誌 1963/12/25, Vol.27(3-4), pp.187-189
1. Verfasser: 足沢, 三之介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:玉川温泉連泉浴が上記両疾患に効を奏する機転並びにその臨床効果について述べる. 玉川温泉は硫化水素含有酸性緑礬泉で, pH1.2の強酸性泉である. 43℃1日3~4回の入浴では入浴開始4~7日後には発疹(浴湯皮膚炎)が現れ, これは特に頸部, 項部, 前胸部, 腋窩及鼠蹟部等に発生し易く, 発赤と丘疹が主徴候である. 而してこの発疹は浴終了後8~10日目頃には治癒消褪する. 而してこの発疹局所に変性蛋白質の産生起り, これが生体組織細胞を賦活するため, 既往性反応が陽性に現れ, 抗菌力の増強, 網内系機能の亢進が起り, 白血球減少症に於てはその増加を来し, 生体細胞機能の亢進に基く本川氏電気閃光反応の低下等が起る. 又皮膚インピーダンスは2~3週間の連泉浴に際しては, 日を経るに従い次第に低下を来し, この現象は細胞賦活作用とともに新陳代謝機能の亢進並びに保温作用及び皮膚軟部組織の充血作用を示すものと思われる. 又Broster-Vines染色法により連泉浴中期及び後期に於ては副腎機能の亢進を認め, 血清コレステロール, V. B2を材料とする検査により肝機能の増強するを認めたのである.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.27.187