Candida albicansの二形性の分子生物学
「はじめに」Candida albicans(以下C. albicans)はヒトの口腔, 消化管, 膣, 皮膚などに常在する真菌であるが, ストレスあるいは免疫抑制, 化学療法などにより宿主の抵抗力が低下した場合日和見感染を起こすことが知られている. C. albicansの病原性の指標として, 二形性(環境に応じて酵母形あるいは菌糸形発育を示す形態変換形質), 菌体外酵素であるプロテアーゼやホスホリパーゼ産生能, 生体表面への付着能などが指摘されている. 加えて薬剤排出ポンプによる薬剤耐性に関する研究も行われている(7, 16). C. albicansの二形性が病原性の指標の一つとして注目...
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Veröffentlicht in: | 日本細菌学雑誌 1999/04/30, Vol.54(2), pp.415-421 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」Candida albicans(以下C. albicans)はヒトの口腔, 消化管, 膣, 皮膚などに常在する真菌であるが, ストレスあるいは免疫抑制, 化学療法などにより宿主の抵抗力が低下した場合日和見感染を起こすことが知られている. C. albicansの病原性の指標として, 二形性(環境に応じて酵母形あるいは菌糸形発育を示す形態変換形質), 菌体外酵素であるプロテアーゼやホスホリパーゼ産生能, 生体表面への付着能などが指摘されている. 加えて薬剤排出ポンプによる薬剤耐性に関する研究も行われている(7, 16). C. albicansの二形性が病原性の指標の一つとして注目されるようにたったのは1958年Young(18)の論文以来のことで, マウス腹腔内にC. albicansの生菌を注射した場合, 酵母形の細胞は好中球により殺菌されたにもかかわらず, 菌糸形は膵臓組織や単核細胞に侵入し排除されなかった所見に基づいている. 一方C. albicansの菌糸形発育を生活環の中で捉えると, 環境が悪化した場合に, 酵母形の細胞は胞子を形成するのではなく素早く菌糸形に転換する. |
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ISSN: | 0021-4930 1882-4110 |
DOI: | 10.3412/jsb.54.415 |