B-2 1990~91年に仙台市で分離されたC型インフルエンザウイルスの性状

C型インフルエンザの疫学的特徴を把握することを目的として, 年間を通したウイルス分離を1988年から開始している. 今回は, 1990~91年に仙台市で分離された10株の性状を比較した成績について報告する. 1. 抗HE単クローン抗体による抗原解析とオリゴヌクレオチド, フィンガープリント法による遺伝子解析の結果, 7株は愛知/81系統に, 3株は山形/81系統に属することが明らかになった. 従って, 2つの系統のウイルスが共存していると推測される. 2. われわれは以前, C/山形/7/88株をHMV-II細胞で継代することによって, 同細胞での増殖能が亢進しているだけでなく, 分離当初のも...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本細菌学雑誌 1993, Vol.48 (6), p.753-754
Hauptverfasser: 安孫子千恵子, 永井幸夫, 庄司真, 渡辺拓之, 鈴木宏, 沼崎義夫, 菅原勘悦, 北目文郎, 西村秀一, 村木靖, 本郷誠治, 中村喜代人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:C型インフルエンザの疫学的特徴を把握することを目的として, 年間を通したウイルス分離を1988年から開始している. 今回は, 1990~91年に仙台市で分離された10株の性状を比較した成績について報告する. 1. 抗HE単クローン抗体による抗原解析とオリゴヌクレオチド, フィンガープリント法による遺伝子解析の結果, 7株は愛知/81系統に, 3株は山形/81系統に属することが明らかになった. 従って, 2つの系統のウイルスが共存していると推測される. 2. われわれは以前, C/山形/7/88株をHMV-II細胞で継代することによって, 同細胞での増殖能が亢進しているだけでなく, 分離当初のものとは抗原性を異にする馴化突然変異株を分離した. 今回の山形/81系統分離株の1つ(C/宮城/9/91)が, この馴化変異株に似た性状を持つことが明らかになった. 馴化変異株様のウイルスが自然界で出現しうることを示唆する知見である.
ISSN:0021-4930