II-5 麻疹ウイルス感染細胞膜表面に発現する未成熟Hたんぱくについて

麻疹ウイルス感染細胞における膜表面へのHたんぱくの発現を調べる過程で成熟した78K Hたんぱく以外に未成熟な74K Hたんぱくも膜表面に発現していることを見い出した. ウイルス感染細胞を35S-メチオニンでパルス, チェイスすると78K Hたんぱくはチェイス後60分より細胞膜表面に検出され始めるが, チェイス後30分から60分の早期に74Kの分子量をもつHたんぱくが膜表面に現われ, 120分でほぼ消失した. この未成熟74K Hたんぱくは細胞溶解感染系においても持続感染系においても検出された. そのピークの発現量は78K Hたんぱくのそれの~30%であった. また, H遺伝子単独の一時発現系に...

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Veröffentlicht in:日本細菌学雑誌 1993, Vol.48 (2), p.474-475
Hauptverfasser: 小倉壽, 清河慈聡, 中村信一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:麻疹ウイルス感染細胞における膜表面へのHたんぱくの発現を調べる過程で成熟した78K Hたんぱく以外に未成熟な74K Hたんぱくも膜表面に発現していることを見い出した. ウイルス感染細胞を35S-メチオニンでパルス, チェイスすると78K Hたんぱくはチェイス後60分より細胞膜表面に検出され始めるが, チェイス後30分から60分の早期に74Kの分子量をもつHたんぱくが膜表面に現われ, 120分でほぼ消失した. この未成熟74K Hたんぱくは細胞溶解感染系においても持続感染系においても検出された. そのピークの発現量は78K Hたんぱくのそれの~30%であった. また, H遺伝子単独の一時発現系においても膜表面に検出された. この74K Hたんぱくは非還元下でのSDS-PAGEで消失し, endoglycosidase H消化に感受性を示し, 3H-glucosamineの取込みはなかった. 以上のことから, 麻疹ウイルス感染細胞においてHたんぱくの一部はhigh mannose型のままで細胞膜表面に発現されると考えられた.
ISSN:0021-4930