B-2 野兎病菌のコロニータイプ別にみた多糖体量とマウスに対する毒力との関係

野兎病菌のコロニーはアクリフラビン反応により, 反応陽性コロニー(acf+)と陰性コロニー(acf-)の2つに分けられる. マウスに対する毒力は, acf+が例外なく弱毒であるのに対して, acf-には弱毒のものと強毒のものがある. そこで, これらコロニーから複数の方法で抽出した多糖体の量を, 野兎病抗血清と多糖体感作赤血球を用いた間接赤血球凝集反応抑制試験で測定し, マウスに対する毒力との関連性を調べた. 抽出法のちがいによって, 性状の異なる多糖体の存在が示唆されたが, 概してacf+では多糖体が検出されないか, ごく少量であったのに対して, acf-ではすべての菌で検出された. このう...

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Veröffentlicht in:日本細菌学雑誌 1993, Vol.48 (2), p.445-445
Hauptverfasser: 藤田博己, 佐藤佶, 渡辺百合子, 大原義朗, 本間守男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:野兎病菌のコロニーはアクリフラビン反応により, 反応陽性コロニー(acf+)と陰性コロニー(acf-)の2つに分けられる. マウスに対する毒力は, acf+が例外なく弱毒であるのに対して, acf-には弱毒のものと強毒のものがある. そこで, これらコロニーから複数の方法で抽出した多糖体の量を, 野兎病抗血清と多糖体感作赤血球を用いた間接赤血球凝集反応抑制試験で測定し, マウスに対する毒力との関連性を調べた. 抽出法のちがいによって, 性状の異なる多糖体の存在が示唆されたが, 概してacf+では多糖体が検出されないか, ごく少量であったのに対して, acf-ではすべての菌で検出された. このうち60C加熱抽出による多糖体の量は, 他のものに比べて毒力による差が明らかで, 強毒菌ほど多量であることがわかった. この多糖体は野兎病菌の毒力に関係しているものと思われる.
ISSN:0021-4930