B-1 野兎病の間接赤血球凝集反応の改良

野兎病の間接赤血球凝集反応(HA)は, 野兎病菌から抽出した多糖体で感作した赤血球を用い, 抗体検出に応用されてきた. HAは菌凝集反応(BA)より感度と特異性が高いとされているが利用は少ない. その理由として, 従来のHAでは未固定血球使用のため血球の保存性が悪く, 毎回血球を新たに入手して調製しなければならないこと, また繁用しているヒツジ血球は被検血清の凝集素の吸収操作を必要とすることなど操作の煩雑さがあげられる. そこでわれわれは, ホルマリン固定ニワトリ赤血球を用いたHAのマイクロプレート法を検討した. ニワトリ血球はヒトの血清においてヒツジ血球でのような吸収操作は不用であり, 感作...

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Veröffentlicht in:日本細菌学雑誌 1993, Vol.48 (2), p.444-445
Hauptverfasser: 渡辺百合子, 藤田博己, 佐藤佶, 大原義朗, 本間守男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:野兎病の間接赤血球凝集反応(HA)は, 野兎病菌から抽出した多糖体で感作した赤血球を用い, 抗体検出に応用されてきた. HAは菌凝集反応(BA)より感度と特異性が高いとされているが利用は少ない. その理由として, 従来のHAでは未固定血球使用のため血球の保存性が悪く, 毎回血球を新たに入手して調製しなければならないこと, また繁用しているヒツジ血球は被検血清の凝集素の吸収操作を必要とすることなど操作の煩雑さがあげられる. そこでわれわれは, ホルマリン固定ニワトリ赤血球を用いたHAのマイクロプレート法を検討した. ニワトリ血球はヒトの血清においてヒツジ血球でのような吸収操作は不用であり, 感作血球は4C保存で4カ月間安定していた. BAのマイクロプレート法(MA)との比較では, 判定までの時間は1-2時間と著しく短縮できた. 感度はMAと同様に高く, 特異性はMAより高かった. 本法は野兎病抗体検出における高感度で迅速な診断法として有用と思われる.
ISSN:0021-4930