A-17 MULTI-TARGETED PCR法によるヒト血清中からのC型肝炎ウイルスゲノムの検出

PCR法を用いてC型肝炎ウイルス(HCV)ゲノムを検出する遺伝子領域の違いによる感度と特異性を比較する目的で, 5'末端領域(5'NC)およびNS3領域を同時に増幅するMulti-Targeted PCR (M-PCR)法を試みた. その結果, C100-3抗体陽性56例中29例(52%)にHCVRNAが検出された. そのうちの23例(79%)は5'NCおよびNS3由来のバンドがともに検出されたが6例(21%)にはNS3由来のバンドが検出されなかった. また, 抗体陰性血清42例中7例(17%)からもHCVRNAが検出されたが, 6例はNS3領域のバンドが見られな...

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Veröffentlicht in:日本細菌学雑誌 1993, Vol.48 (2), p.443-443
Hauptverfasser: 岡本実佳, 馬場昌範, 茂田士郎, 児玉栄一, 関根健司, 高木徹, 粕川禮司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:PCR法を用いてC型肝炎ウイルス(HCV)ゲノムを検出する遺伝子領域の違いによる感度と特異性を比較する目的で, 5'末端領域(5'NC)およびNS3領域を同時に増幅するMulti-Targeted PCR (M-PCR)法を試みた. その結果, C100-3抗体陽性56例中29例(52%)にHCVRNAが検出された. そのうちの23例(79%)は5'NCおよびNS3由来のバンドがともに検出されたが6例(21%)にはNS3由来のバンドが検出されなかった. また, 抗体陰性血清42例中7例(17%)からもHCVRNAが検出されたが, 6例はNS3領域のバンドが見られなかった. M-PCR法と従来の方法との感度の比較では, M-PCR法のNS3領域の検出感度に若干の低下が見られたが, NS3領域が5'NC領域に比べて検出率が低いという傾向は変わらなかった. 以上のことから, 本法においても増幅領域として5'NC領域がNS3領域に比べて, 感度と特異性において優れていることが確かめられた.
ISSN:0021-4930