診断的腹腔鏡下手術により悪性腹膜中皮腫と診断した1例
【諸言】悪性腹膜中皮腫は, 腹膜の中皮細胞に発生する稀な悪性腫瘍で, 石綿暴露との関連により近年発症者数, 死亡者数ともに増加傾向である. 癌性腹膜炎と類似するが特徴的な所見に乏しく, 診断に難渋することも多い. 確定診断には病理学的に中皮細胞起源かつ悪性であることを示す必要があるため, 組織検査が必須である. 最近では, 低侵襲かつ確実な組織診断を得ることができるため, 悪性腹膜中皮腫の診断に腹腔鏡下手術が有用であるという報告が散見される. 一方, 悪性腹膜中皮腫と鑑別を要す腹膜癌や卵巣癌, 卵管癌の進行例において, 手術完遂度の予想や進行期の決定, 組織採取を目的とした腹腔鏡下手術が推奨さ...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2024, Vol.40 (1), p.189-193 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【諸言】悪性腹膜中皮腫は, 腹膜の中皮細胞に発生する稀な悪性腫瘍で, 石綿暴露との関連により近年発症者数, 死亡者数ともに増加傾向である. 癌性腹膜炎と類似するが特徴的な所見に乏しく, 診断に難渋することも多い. 確定診断には病理学的に中皮細胞起源かつ悪性であることを示す必要があるため, 組織検査が必須である. 最近では, 低侵襲かつ確実な組織診断を得ることができるため, 悪性腹膜中皮腫の診断に腹腔鏡下手術が有用であるという報告が散見される. 一方, 悪性腹膜中皮腫と鑑別を要す腹膜癌や卵巣癌, 卵管癌の進行例において, 手術完遂度の予想や進行期の決定, 組織採取を目的とした腹腔鏡下手術が推奨されている. 今回, 腹膜癌を疑い診断的腹腔鏡下手術を施行し, 悪性腹膜中皮腫の診断に至った1例を経験したため報告する. なお, 本症例の報告にあたり, 患者家族より同意を得た. 【症例】症例は75歳, 2経妊2経産, 閉経55歳. |
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ISSN: | 1884-9938 |