樋口式横切割法を応用した単孔式腹腔鏡手術にて卵巣組織凍結を行った2例

【緒言】女性の妊孕性温存のオプションには, 卵子凍結, 胚凍結, 卵巣組織凍結がある. 卵子凍結や胚凍結は一般的な不妊治療でも確立された技術であり, 経腟操作が可能な成人女性ではこれらが優先される. 一方, 経腟操作ができない小児や, 妊孕性温存のための時間的猶予がない患者に対しては, 卵巣組織凍結の施行が検討される. 2004年にDonnezらが卵巣組織凍結および自家移植による生児獲得例を初めて報告してから, 現在までに世界で同法により約130人が出生している. しかし卵巣組織凍結は米国癌治療学会 (American Society of Clinical Oncology) の妊孕性温存ガ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2024, Vol.40 (1), p.184-188
Hauptverfasser: 白石絵莉子, 上田和, 笠原佑太, 永吉陽子, 岸裕司, 鈴木直, 岡本愛光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】女性の妊孕性温存のオプションには, 卵子凍結, 胚凍結, 卵巣組織凍結がある. 卵子凍結や胚凍結は一般的な不妊治療でも確立された技術であり, 経腟操作が可能な成人女性ではこれらが優先される. 一方, 経腟操作ができない小児や, 妊孕性温存のための時間的猶予がない患者に対しては, 卵巣組織凍結の施行が検討される. 2004年にDonnezらが卵巣組織凍結および自家移植による生児獲得例を初めて報告してから, 現在までに世界で同法により約130人が出生している. しかし卵巣組織凍結は米国癌治療学会 (American Society of Clinical Oncology) の妊孕性温存ガイドライン (2018) においても未だ研究段階の治療カテゴリーであり, リスクを含めて十分に説明をしたうえで行うか否かを検討しなければならない. 卵巣組織凍結の際の卵巣摘出術では, より低侵襲な腹腔鏡手術が推奨されているが, 本邦では小規模の実施施設が分散している現状があり, 術式やポート配置などについては各施設間で異なる.
ISSN:1884-9938