腹腔鏡下に診断した膵癌卵巣転移の1例

【緒言】膵臓癌はまれに卵巣に転移し, 原発性卵巣癌との鑑別に苦慮する場合がある. 転移性卵巣腫瘍の組織採取は原発巣の特定に有用であるが, 開腹手術での生検は侵襲が大きく診断確定後の原疾患治療が遅れる可能性がある. 今回, 水腎症を伴う骨盤内腫瘍に対して, 腹腔鏡下に膵癌の卵巣転移を診断した症例を報告する. なお, 本論文の投稿に関して, 書面による患者の同意を得た. 【症例】年齢: 70歳 主訴: 右水腎症, 骨盤内腫瘍 妊娠分娩歴: 4妊2産(正常経腟分娩2回, 自然流産2回) 既往歴: 膵体部癌(68歳, 腹腔鏡下膵体尾部切除術), 虫垂炎(13歳, 虫垂切除術) 月経歴: 初経 14歳...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2023, Vol.39 (2), p.56-60
Hauptverfasser: 薗部武, 永井康一, 岩見毬衣, 長たまき, 小河原由貴, 水島大一, 宮城悦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】膵臓癌はまれに卵巣に転移し, 原発性卵巣癌との鑑別に苦慮する場合がある. 転移性卵巣腫瘍の組織採取は原発巣の特定に有用であるが, 開腹手術での生検は侵襲が大きく診断確定後の原疾患治療が遅れる可能性がある. 今回, 水腎症を伴う骨盤内腫瘍に対して, 腹腔鏡下に膵癌の卵巣転移を診断した症例を報告する. なお, 本論文の投稿に関して, 書面による患者の同意を得た. 【症例】年齢: 70歳 主訴: 右水腎症, 骨盤内腫瘍 妊娠分娩歴: 4妊2産(正常経腟分娩2回, 自然流産2回) 既往歴: 膵体部癌(68歳, 腹腔鏡下膵体尾部切除術), 虫垂炎(13歳, 虫垂切除術) 月経歴: 初経 14歳 閉経 52歳 現病歴: 68歳で膵体部癌と診断され, 当院消化器外科で術前化学療法の後に腹腔鏡下膵体尾部切除術が施行された. 病理診断は膵体部腺癌IA期ypT1cN0M0であった.
ISSN:1884-9938