不妊治療後に骨盤内感染をきたし腹腔鏡下手術を施行した7症例の検討

【緒言】骨盤腹膜炎は不妊治療の稀な合併症であり, 採卵後の骨盤内膿瘍の発症率は0.03~0.24%であるといわれている. その一方で, 不妊治療を受ける患者の中には重症子宮内膜症(以下内膜症)を有する患者も多く, 重症内膜症患者では卵管卵巣膿瘍(tubo-ovarian abscess: TOA)を併発しやすいとする報告や, 不妊治療後におこるTOAは, それを先行としないTOAに比して複雑な臨床経過をたどり, その後の臨床的妊娠率が不良との報告もある. 内科的治療が奏功しない骨盤内感染には外科的治療が考慮されるが, 不妊治療後の骨盤内感染に対する治療方針に定まった方針は示されていない. 今回...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2023, Vol.39 (2), p.21-27
Hauptverfasser: 上田真子, 安藤智子, 荒木甫, 黒柳雅文, 正橋佳樹, 鈴木美帆, 福原伸彦, 齋藤愛, 坂堂美央子, 廣村勝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】骨盤腹膜炎は不妊治療の稀な合併症であり, 採卵後の骨盤内膿瘍の発症率は0.03~0.24%であるといわれている. その一方で, 不妊治療を受ける患者の中には重症子宮内膜症(以下内膜症)を有する患者も多く, 重症内膜症患者では卵管卵巣膿瘍(tubo-ovarian abscess: TOA)を併発しやすいとする報告や, 不妊治療後におこるTOAは, それを先行としないTOAに比して複雑な臨床経過をたどり, その後の臨床的妊娠率が不良との報告もある. 内科的治療が奏功しない骨盤内感染には外科的治療が考慮されるが, 不妊治療後の骨盤内感染に対する治療方針に定まった方針は示されていない. 今回我々は不妊治療後に骨盤内感染をきたし, 腹腔鏡下手術を施行した症例を7例経験した. この7症例につき後方的に検討し文献的考察を加え報告する. なお学会発表ならびに論文化に関しては, 対象となる患者に同意を得て発表とした.
ISSN:1884-9938