腹腔鏡下腫瘍生検術によりmesothelial inclusion cystと診断し得た症例

【緒言】mesothelial inclusion cystとは中皮細胞由来の良性病変であり, 大変稀な疾患である. 開腹手術歴や骨盤内炎症既往との関連性が報告されており, 特に若年女性に多い. 今回卵巣粘液性境界悪性腫瘍IC1期の術後5年で腹腔内に多発の嚢胞性病変を認め, 腹腔鏡下腫瘍生検によりmesothelial inclusion cystと診断された症例を経験したので報告する. なお学会発表ならびに論文化に関して対象となる患者に同意を得て発表した. 【症例】患者: 24歳, 0妊, 未婚 月経歴: 初経11歳 周期 不整 月経困難症に対して低用量ピル内服 既往歴: 19歳時に検診で胸...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2022, Vol.38(1), pp.44-50
Hauptverfasser: 古野, 敦子, 長, たまき, 立花, 貴彦, 松﨑, 結花里, 杉浦, 賢
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【緒言】mesothelial inclusion cystとは中皮細胞由来の良性病変であり, 大変稀な疾患である. 開腹手術歴や骨盤内炎症既往との関連性が報告されており, 特に若年女性に多い. 今回卵巣粘液性境界悪性腫瘍IC1期の術後5年で腹腔内に多発の嚢胞性病変を認め, 腹腔鏡下腫瘍生検によりmesothelial inclusion cystと診断された症例を経験したので報告する. なお学会発表ならびに論文化に関して対象となる患者に同意を得て発表した. 【症例】患者: 24歳, 0妊, 未婚 月経歴: 初経11歳 周期 不整 月経困難症に対して低用量ピル内服 既往歴: 19歳時に検診で胸水を指摘され, 呼吸器内科を受診した. 胸水細胞診は陰性. 造影CT, 単純MRIにて約33cmの巨大多房性卵巣腫瘍を認め, 血清腫瘍マーカーはCEA 8.8ng/ml(正常値: 0 - 5ng/ml), CA19-9 1859.7U/ml(正常値: 0 - 37U/ml), CA125 776.9U/ml(正常値: 0 - 35U/ml)と高値であった.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.38.1_44