卵管間膜内に発生した子宮内膜症性嚢胞の一例―子宮内膜症の発生機序についての検討を加えて

【緒言】子宮内膜症は, 子宮, 卵巣, 骨盤内腹膜, 仙骨子宮靭帯, 直腸腟中隔など骨盤内に好発する. 卵巣に発生する子宮内膜症の多くは嚢胞性病変であるが, 卵巣以外に発生する病変は結節性病変を形成することが多い. 今回我々は, 卵管間膜内に発生した子宮内膜症性嚢胞の一例を経験したので, その発生機序について免疫組織学的検討を行い, 若干の文献的考察を加え報告する. なお, 本症例を報告するにあたり, 患者本人より文書にて同意を得ている. 【症例】症例は36歳, 4妊2産. 既往歴や家族歴に特記すべき事項はなかった. 下腹部痛と過多月経を主訴に前医を受診した. 同医にて右卵巣腫瘍を指摘され,...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2021, Vol.37(1), pp.176-183
Hauptverfasser: 嶋村, 卓人, 大木, 規義, 山﨑, 亮, 加嶋, 洋子, 荻本, 圭祐, 江島, 有香, 下川, 航, 吉田, 茂樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【緒言】子宮内膜症は, 子宮, 卵巣, 骨盤内腹膜, 仙骨子宮靭帯, 直腸腟中隔など骨盤内に好発する. 卵巣に発生する子宮内膜症の多くは嚢胞性病変であるが, 卵巣以外に発生する病変は結節性病変を形成することが多い. 今回我々は, 卵管間膜内に発生した子宮内膜症性嚢胞の一例を経験したので, その発生機序について免疫組織学的検討を行い, 若干の文献的考察を加え報告する. なお, 本症例を報告するにあたり, 患者本人より文書にて同意を得ている. 【症例】症例は36歳, 4妊2産. 既往歴や家族歴に特記すべき事項はなかった. 下腹部痛と過多月経を主訴に前医を受診した. 同医にて右卵巣腫瘍を指摘され, 精査加療目的で当院へ紹介となった. 初診時, 内診所見では子宮は正常大で, 可動性はやや不良であり, 右付属器領域に弾性軟の腫瘤を触知したが, 圧痛は軽度であった.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.37.1_176