変位腎を有する子宮腺筋症症例に対し腹腔鏡下子宮全摘術を施行し得た1例

【緒言】変位腎は腎の先天性の位置異常であるが, 胎生期の腎上行過程の異常により生じる比較的まれな病態である. 婦人科領域の腹腔鏡下手術では, 通常腎に留意することは少ないが, 変位腎症例の場合は術野に腎が存在する場合があるためポート設置時や鉗子操作による腎損傷に注意が必要となる. 今回, 右変位腎を有する子宮腺筋症症例に対し, 腹腔鏡下子宮全摘術(total laparoscopic hysterectomy: TLH)を施行し得た1例を経験したため報告する. なお, 本症例の報告に関して, 患者本人より文書で同意を得ている. 【症例】患者は42歳, 0妊0産, 未閉経で34歳時に子宮鏡下子宮...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2021, Vol.37(1), pp.97-101
Hauptverfasser: 田村, 良介, 柿沼, 麗於奈, 平川, 威夫, 水沼, 槙人, 佐藤, 麻希子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】変位腎は腎の先天性の位置異常であるが, 胎生期の腎上行過程の異常により生じる比較的まれな病態である. 婦人科領域の腹腔鏡下手術では, 通常腎に留意することは少ないが, 変位腎症例の場合は術野に腎が存在する場合があるためポート設置時や鉗子操作による腎損傷に注意が必要となる. 今回, 右変位腎を有する子宮腺筋症症例に対し, 腹腔鏡下子宮全摘術(total laparoscopic hysterectomy: TLH)を施行し得た1例を経験したため報告する. なお, 本症例の報告に関して, 患者本人より文書で同意を得ている. 【症例】患者は42歳, 0妊0産, 未閉経で34歳時に子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術を受けた以外は既往歴に特記事項はなかった. 30歳時に月経困難を主訴に近医を受診し子宮腺筋症を指摘された.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.37.1_97