腹腔鏡補助下造腟術を施行した機能性子宮を有する子宮頸部低形成・腟欠損症の1例

【緒言】先天性腟欠損は比較的稀な疾患であり, 4000~5000人に1人の割合で生ずるとされる. そのほとんどは, 正常な卵巣を持ちながら, 子宮は瘢痕程度であるか或いは欠損し, 腎尿路系の奇形をしばしば合併するMayer-Rokitansky-Kustner(MRK)症候群である. 先天性腟欠損症のうち機能性子宮を持つ場合は, さらに頻度が低く疾患全体の約5%程度とされている. 機能性子宮を持つ腟欠損症では, 多くが思春期に原発性無月経とモリミナ様症状で診断される. 治療介入により造腟術を行い, 性交渉や妊娠を可能とすることは, 治療意義が大きいと考えられる. 従来は開腹で子宮全摘術および腸...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2020, Vol.36(1), pp.178-184
Hauptverfasser: 萩本, 真理奈, 栗田, 智子, 柴原, 真美, 遠山, 篤史, 植田, 多恵子, 鏡, 誠治, 松浦, 祐介, 吉野, 潔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】先天性腟欠損は比較的稀な疾患であり, 4000~5000人に1人の割合で生ずるとされる. そのほとんどは, 正常な卵巣を持ちながら, 子宮は瘢痕程度であるか或いは欠損し, 腎尿路系の奇形をしばしば合併するMayer-Rokitansky-Kustner(MRK)症候群である. 先天性腟欠損症のうち機能性子宮を持つ場合は, さらに頻度が低く疾患全体の約5%程度とされている. 機能性子宮を持つ腟欠損症では, 多くが思春期に原発性無月経とモリミナ様症状で診断される. 治療介入により造腟術を行い, 性交渉や妊娠を可能とすることは, 治療意義が大きいと考えられる. 従来は開腹で子宮全摘術および腸管や遊離皮弁などの多臓器を利用した造腟術が行われてきたが, 若年患者の多い本疾患に対し, 腹腔鏡補助下での手術は低侵襲で整容性も良く, 有用であると考えられる.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.36.1_178