卵巣腫瘍破裂の腹腔鏡下手術中に明らかになった昆布巻嵌頓による小腸穿孔の1例

「緒言」卵巣腫瘍の破裂は婦人科領域の急性腹症においては比較的頻度の高い疾患であり, 破裂した卵巣腫瘍の性状によっては急激な腹痛のため緊急手術が必要となることも多い. 一方で, 経口摂取した食物による食餌性の腸閉塞は全腸閉塞の0.3~1%と比較的稀な疾患であり, 術前の診断は困難とされる. 今回, 卵巣腫瘍破裂と術前診断して腹腔鏡下手術を施行し, 昆布巻の嵌頓による食餌性腸閉塞が原因で小腸穿孔を来していたことが明らかになった症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 本症例の患者からは論文の投稿に関して文書による同意を取得した. 「症例」患者: 60歳 2妊2産(経腟分娩2回) 既往歴: 特...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2020, Vol.36(1), pp.101-105
Hauptverfasser: 渡辺, 智之, 上村, 真央, 脇ノ上, 史朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」卵巣腫瘍の破裂は婦人科領域の急性腹症においては比較的頻度の高い疾患であり, 破裂した卵巣腫瘍の性状によっては急激な腹痛のため緊急手術が必要となることも多い. 一方で, 経口摂取した食物による食餌性の腸閉塞は全腸閉塞の0.3~1%と比較的稀な疾患であり, 術前の診断は困難とされる. 今回, 卵巣腫瘍破裂と術前診断して腹腔鏡下手術を施行し, 昆布巻の嵌頓による食餌性腸閉塞が原因で小腸穿孔を来していたことが明らかになった症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 本症例の患者からは論文の投稿に関して文書による同意を取得した. 「症例」患者: 60歳 2妊2産(経腟分娩2回) 既往歴: 特記事項なし. 歯牙欠損・義歯なし. 精神疾患既往なし. 現病歴: 前日就寝中から腹痛と嘔吐症状があり, 持続するため翌日に当院救急外来を受診した.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.36.1_101