腹腔鏡手術術後 ドレーン抜去時に発生した卵管ポートサイトヘルニアの一例
【緒言】 ポートサイトヘルニアは腹腔鏡手術のトロッカー挿入創に発生する術後ヘルニアである. 腹腔鏡手術の術後早期・晩期に起こるものがあり, その頻度は約0.5%程度とされる. 腸管・大網などが嵌頓した場合, 臓器の梗塞・絞扼が起きるケースもあり, 迅速な診断・修復が必要となる. 今回我々は腹腔鏡下子宮筋腫核出術で5mmポート創に設置した閉鎖式持続吸引型ドレーンを抜去した際に卵管ヘルニアを来した症例を経験したので報告する. なお, 本症例を報告するにあたり, 十分な説明と同意を得た上で患者本人より同意を得ている. 【症例】 症例は37歳, 未経妊. 身長157cm, 体重55kg, BMI 22...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2019, Vol.35(2), pp.299-303 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】 ポートサイトヘルニアは腹腔鏡手術のトロッカー挿入創に発生する術後ヘルニアである. 腹腔鏡手術の術後早期・晩期に起こるものがあり, その頻度は約0.5%程度とされる. 腸管・大網などが嵌頓した場合, 臓器の梗塞・絞扼が起きるケースもあり, 迅速な診断・修復が必要となる. 今回我々は腹腔鏡下子宮筋腫核出術で5mmポート創に設置した閉鎖式持続吸引型ドレーンを抜去した際に卵管ヘルニアを来した症例を経験したので報告する. なお, 本症例を報告するにあたり, 十分な説明と同意を得た上で患者本人より同意を得ている. 【症例】 症例は37歳, 未経妊. 身長157cm, 体重55kg, BMI 22.3. 既往歴・手術歴・家族歴・生活歴に特記すべき事柄なし. 20XX年に原発性不妊症を主訴に当院来院. スクリーニング検査の結果, 内腔近傍の子宮筋腫(前壁3.5cm大)と夫の乏精子症を認めた. タイミング法や人工授精での妊娠は困難であると判断し体外受精-胚移植(IVF-ET)での治療を開始したが, 3回の良好胚移植で妊娠成立せず, 子宮筋腫を着床障害の原因と考え, 腹腔鏡下子宮筋腫核出術施行の方針とした. |
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ISSN: | 1884-9938 1884-5746 |
DOI: | 10.5180/jsgoe.35.2_299 |