子宮頸癌における腹腔鏡アプローチによるセンチネルリンパ節関連手術の実施妥当性
「緒言」初期子宮頸癌の治療においてリンパ節転移は重要な予後予測因子である. このため骨盤リンパ節郭清は長らく初期頸癌の標準術式の一部と考えられてきた. だが骨盤リンパ節転移は手術症例の20%未満にしか存在せず, 一方で骨盤リンパ節郭清はリンパ浮腫, リンパ嚢胞, あるいは長時間手術を引き金とする種々の合併症を引き起こしてきた. センチネルリンパ節の術中迅速診断に基づく系統的リンパ節郭清の省略はN因子の診断と術式の低侵襲化を両立させる魅力的な治療であり, 既に乳癌領域では保険診療として行われている. 近年の欧米先進諸国における子宮頸癌手術の新規治療はステージングのみならずアプローチの面からも議論...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2019, Vol.35(1), pp.75-79 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」初期子宮頸癌の治療においてリンパ節転移は重要な予後予測因子である. このため骨盤リンパ節郭清は長らく初期頸癌の標準術式の一部と考えられてきた. だが骨盤リンパ節転移は手術症例の20%未満にしか存在せず, 一方で骨盤リンパ節郭清はリンパ浮腫, リンパ嚢胞, あるいは長時間手術を引き金とする種々の合併症を引き起こしてきた. センチネルリンパ節の術中迅速診断に基づく系統的リンパ節郭清の省略はN因子の診断と術式の低侵襲化を両立させる魅力的な治療であり, 既に乳癌領域では保険診療として行われている. 近年の欧米先進諸国における子宮頸癌手術の新規治療はステージングのみならずアプローチの面からも議論が行われている. 最近, 鏡視下手術が予後を悪化させる懸念が報告されたが, コストや有害事象が少ない点で開腹手術に対して優れるとした報告は多数出ている. 当院では2007年からバックアップ郭清を条件としたSLNマッピングを開始し, リンパ節転移診断に関する感度, 陰性反応的中度がそれぞれ92%, 99%であることを報告した後, SLNマッピングの結果を利用した症例選択的な系統的リンパ節郭清の省略を行っている. |
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ISSN: | 1884-9938 1884-5746 |
DOI: | 10.5180/jsgoe.35.1_75 |