癌性腹膜炎の疑いで審査腹腔鏡を行い、結核性腹膜炎と診断し得た1例

「緒言」結核性腹膜炎は全結核の0.1-0.7%と稀な疾患であるが, 日本において全結核の登録者数は人口10万人対で15.4人と他の先進国(ex. アメリカ2.8人)と比較して依然多い. 症状は多彩かつ緩徐であり, 診断は困難であることが多い. 確定診断は, 細菌学的に結核菌を同定することが基本であるが, その感度は低く, しばしば補助診断から臨床的に結核性腹膜炎と診断されることも多い. 最近では審査腹腔鏡による診断が有用であるとの報告が散見され, 腹腔内所見および採取した組織の病理組織学的な所見などから診断される. 今回我々は, 腹膜癌の疑いで審査腹腔鏡を行い結核性腹膜炎と診断し得た1例を経験...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2018, Vol.34(2), pp.252-256
Hauptverfasser: 八木, 太郎, 堀, 謙輔, 大久保, 理恵子, 中川, 美生, 黒田, 浩正, 鶴田, 智彦, 田島, 里奈, 伊藤, 公彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」結核性腹膜炎は全結核の0.1-0.7%と稀な疾患であるが, 日本において全結核の登録者数は人口10万人対で15.4人と他の先進国(ex. アメリカ2.8人)と比較して依然多い. 症状は多彩かつ緩徐であり, 診断は困難であることが多い. 確定診断は, 細菌学的に結核菌を同定することが基本であるが, その感度は低く, しばしば補助診断から臨床的に結核性腹膜炎と診断されることも多い. 最近では審査腹腔鏡による診断が有用であるとの報告が散見され, 腹腔内所見および採取した組織の病理組織学的な所見などから診断される. 今回我々は, 腹膜癌の疑いで審査腹腔鏡を行い結核性腹膜炎と診断し得た1例を経験したので, 当院の倫理委員会の承認を得て報告する(承認番号: 170501). 「症例」「症例」: 60歳代 女性「主訴」: 腹痛, 腹部膨満感, 下痢, 発熱「既往歴」: 高血圧「家族歴」: 父 副腎癌, 母 高血圧
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.34.2_252