回腸局所癒着により発症した腹腔鏡下単純子宮全摘術後の絞扼性腸閉塞―開腹手術後との癒着形態の違いに注目する

【緒言】腹腔鏡下手術では開腹手術に比べて術後に発生する腹腔内癒着の頻度が少ないことは広く知られているが, その癒着を起因として発症する腸閉塞の頻度は必ずしも減少していない. 癒着の多寡や程度と腸閉塞の重症度は必ずしも一致せず, 腹腔鏡下手術と開腹手術では続発する腸閉塞の臨床像が違うことが示唆されている. 腹腔鏡下手術後, ごくわずかな癒着が起点となって絞扼性腸閉塞を発症する可能性があるが, その絞扼性腸閉塞およびその治療についての詳細な報告は少ない. 今回, 我々は腹腔鏡下単純子宮全摘術(TLH)1か月後に発症した癒着性絞扼性腸閉塞の1例を経験した. 腸閉塞の起点は回腸同士のごくわずかな局所的...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2018, Vol.34(2), pp.233-237
Hauptverfasser: 宮田, 明未, 錢, 鴻武, 木村, 俊夫, 佐治, 文隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【緒言】腹腔鏡下手術では開腹手術に比べて術後に発生する腹腔内癒着の頻度が少ないことは広く知られているが, その癒着を起因として発症する腸閉塞の頻度は必ずしも減少していない. 癒着の多寡や程度と腸閉塞の重症度は必ずしも一致せず, 腹腔鏡下手術と開腹手術では続発する腸閉塞の臨床像が違うことが示唆されている. 腹腔鏡下手術後, ごくわずかな癒着が起点となって絞扼性腸閉塞を発症する可能性があるが, その絞扼性腸閉塞およびその治療についての詳細な報告は少ない. 今回, 我々は腹腔鏡下単純子宮全摘術(TLH)1か月後に発症した癒着性絞扼性腸閉塞の1例を経験した. 腸閉塞の起点は回腸同士のごくわずかな局所的な癒着であり, その癒着の形態や腸閉塞発症のメカニズムは腹腔鏡下手術後に特徴的なものと考えられるため, その症例の実際に文献的考察を加えて報告する. 【症例】39歳 2妊2産「主訴」: 排尿困難, 月経過多「月経歴」: 初経12歳.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.34.2_233