腟式細切により子宮を回収した電動モルセレーターを使用しないTLH後に発生した異所性子宮筋腫の1例

【緒言】 異所性子宮筋腫(parasitic leiomyoma: 以下PMとする)は稀な病態であるが, 近年婦人科領域での腹腔鏡下手術が一般化され手術件数が増加している事に伴い, PMの発症頻度も増加が予測される. これは子宮筋腫核の体外搬出で頻用されていた電動モルセレーター(以下モルセレーターとする)の使用による, 医原性のPMとも言われている. また予期せぬ悪性腫瘍が存在していた場合, 腫瘍片を腹腔内へ飛散させる問題があり, U.S.Food and Drug Administration (FDA)は2014年4月に, 子宮及び子宮筋腫の体外搬出の手段として, モルセレーターの使用は推...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2017, Vol.33(1), pp.131-137
Hauptverfasser: 石塚, 泰也, 工藤, 正尊, 大原, 康弘, 山崎, 博之, 井平, 圭, 宇田, 智浩, 中谷, 真紀子, 加藤, 達矢, 渡利, 英道, 櫻木, 範明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】 異所性子宮筋腫(parasitic leiomyoma: 以下PMとする)は稀な病態であるが, 近年婦人科領域での腹腔鏡下手術が一般化され手術件数が増加している事に伴い, PMの発症頻度も増加が予測される. これは子宮筋腫核の体外搬出で頻用されていた電動モルセレーター(以下モルセレーターとする)の使用による, 医原性のPMとも言われている. また予期せぬ悪性腫瘍が存在していた場合, 腫瘍片を腹腔内へ飛散させる問題があり, U.S.Food and Drug Administration (FDA)は2014年4月に, 子宮及び子宮筋腫の体外搬出の手段として, モルセレーターの使用は推奨されないという, 勧告を出した. 現在まで, モルセレーターとPMを関連付ける報告は多いが, モルセレーターを使用しなかった場合の術後のPM発症に関しての報告は非常に少ない. 今回我々は, 新生児頭大の子宮筋腫に対してモルセレーターを使用せず腹腔鏡下に子宮全摘出術を施行の際に, 検体を経腟的に細切して回収し, 術後59か月目にPMと診断した症例を経験したので報告する.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.33.131