腹腔鏡下生検により診断し、早期に化学療法を開始できた卵黄嚢腫瘍の一例
「緒言」 胚細胞腫瘍は全卵巣腫瘍のうち20%程度を占める腫瘍である. 悪性腫瘍に分類されるものはディスジャーミノーマ, 卵黄嚢腫瘍, 胎芽性癌, 絨毛癌, 未熟奇形腫, 悪性転化を伴う成熟嚢胞奇形腫があり, 全悪性卵巣腫瘍の3%を占める. また, 卵黄嚢腫瘍は悪性胚細胞卵巣腫瘍のうち18%に認められる比較的稀な腫瘍である. 多くは若年に発症し化学療法が奏功することから, 妊孕性温存を希望する場合には患側付属器の摘出に留めることが一般的であり, 引き続いての化学療法の早期開始が重要である. 今回, 成熟嚢胞奇形腫に対する付属器摘出術7か月後に腹膜播種を来し, 腹腔鏡下生検により卵黄嚢腫瘍と診断で...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2017, Vol.33(1), pp.126-130 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 胚細胞腫瘍は全卵巣腫瘍のうち20%程度を占める腫瘍である. 悪性腫瘍に分類されるものはディスジャーミノーマ, 卵黄嚢腫瘍, 胎芽性癌, 絨毛癌, 未熟奇形腫, 悪性転化を伴う成熟嚢胞奇形腫があり, 全悪性卵巣腫瘍の3%を占める. また, 卵黄嚢腫瘍は悪性胚細胞卵巣腫瘍のうち18%に認められる比較的稀な腫瘍である. 多くは若年に発症し化学療法が奏功することから, 妊孕性温存を希望する場合には患側付属器の摘出に留めることが一般的であり, 引き続いての化学療法の早期開始が重要である. 今回, 成熟嚢胞奇形腫に対する付属器摘出術7か月後に腹膜播種を来し, 腹腔鏡下生検により卵黄嚢腫瘍と診断でき, 早期に化学療法を開始できた症例を報告する. 「症例」 16歳 未経妊 主訴:腹部膨満感 既往歴:特記事項なし 家族歴:特記事項なし 現病歴:1年半前から下腹部膨満感を自覚していた. 近医内科で巨大な腹腔内腫瘍を指摘されたため, 前医産婦人科を受診し, CT/MRIにより左卵巣未熟奇形腫が疑われた. |
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ISSN: | 1884-9938 1884-5746 |
DOI: | 10.5180/jsgoe.33.126 |