腹腔鏡で二期的手術を行った若年型顆粒膜細胞腫の1例

「緒言」境界悪性腫瘍の術前診断は困難であり, 良性腫瘍と診断した卵巣腫瘍に対し腹腔鏡手術を行い, 術後に境界悪性や悪性と診断される頻度は0.4-2.2%と報告されている. 境界悪性腫瘍では術中迅速診断検査でも診断がつかず, 二期的な治療が必要となる場合があり, その際, 腹腔鏡で手術をするのか, 開腹手術に切り替えるのかについては未だ明確な指針はない. 今回, 腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術を行い, 術後の病理組織検査で若年型顆粒膜細胞腫と診断し, 二期的に腹腔鏡下付属器摘出術を行った症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:12歳 初経:11歳3ヶ月 既往歴:てんかん 内...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2016, Vol.32(1), pp.285-289
Hauptverfasser: 櫻木, 俊秀, 栗田, 智子, 中川, 瞳, 東, 鉄兵, 村上, 緑, 愛甲, 悠希代, 植田, 多恵子, 卜部, 理恵, 鏡, 誠治, 川越, 俊典, 松浦, 祐介, 蜂須賀, 徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」境界悪性腫瘍の術前診断は困難であり, 良性腫瘍と診断した卵巣腫瘍に対し腹腔鏡手術を行い, 術後に境界悪性や悪性と診断される頻度は0.4-2.2%と報告されている. 境界悪性腫瘍では術中迅速診断検査でも診断がつかず, 二期的な治療が必要となる場合があり, その際, 腹腔鏡で手術をするのか, 開腹手術に切り替えるのかについては未だ明確な指針はない. 今回, 腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術を行い, 術後の病理組織検査で若年型顆粒膜細胞腫と診断し, 二期的に腹腔鏡下付属器摘出術を行った症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:12歳 初経:11歳3ヶ月 既往歴:てんかん 内服薬:バルプロ酸ナトリウム 家族歴:特記事項なし 現病歴:初経から6ヶ月後, 月経不順を認め, 近医産婦人科を受診した. 経腹超音波検査上右卵巣の液体成分, 充実成分を伴う5×6cm大の腫瘍を指摘され, 当科紹介受診となった.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.32.285